小説・限無幻夢 (時間旅行 10)
「記憶の中に戻ると言うけどさ、俺には過去の自分なのか今の自分なのか区別がつかなかった。それなのにもうひと昔前へワープしたり、こっちへ戻って来たり・・10年前20年前に生きている俺はどうなっているんだろう?何の問題も無くあのまま生き続けるってこと?」
「それはそうよ。意識の中に潜り込むだけだからお爺ちゃんが来ていることさえ気づかないわよ」
「お店の中でメグと妖しい雰囲気になっていたけど・・あれはそう言う状況の時に俺とメグがワープしたってこと?」
「そう言う気持ちがありながら踏み越えてはいけないと言う意識があったからさらにワープして避けたのだと思う」
しかし・・と俺は思った。メグを残して俺がワープした先は千絵のヌード撮影中だった。どうしたわけか撮影を始める前に再びワープして現実へ戻ったのだが、あの後俺はどうしたのだろう?記憶をなぞろうとして俺は慌てた。理沙とメグがいるのだ。
「いいわよ。隠したってしょうがないでしょう?」
理沙が笑う。メグは好奇の顔だ。
「確かに隠したって無駄だな。だけどさ、俺・・よっぽどスケベみたい・・ワープした先々でいつも女と抱き合ってるってどういうこと?」
「わたしだけを好きかと思ったのに違うのね・・」
メグが不満げに頬を膨らませる。でも怒ってはいない。そんなことよりも実際に体験した時間旅行をもっと知りたいと思っている。過去の世界で対面した自分とどう向き合い、どう対処したら良いかと、俺と同じ疑問にとらわれているのだ。
「1回目の時間旅行でわかったと思うけど、強く印象に残っている過去へ行けるってことなのよ。言い換えれば、時間旅行の行先は自由だと言うこと。さらに過去へのワープも、いつこちらへ戻るかも自由だと言うこと。今回は無意識な部分が多かったんだけどね」
「それはわかる。俺達が知りたいのは過去にワープした時・・どう言えばいいのかなぁ・・つまり10年前の俺と言う人格あってその時代を生きているわけだろう?そこへ、10年後の俺の意識が入り込むんだよ。つまり10年前の俺がやっていることの結果を知ってる俺が入り込む・・おかしなことにならないか?混乱は起きないか?」
「お爺ちゃん、人は妄想する生き物だってこと忘れてる。自分の頭の中に未来の結果が見えても、それは予知では無く、夢としか映らないのよ」
理沙の答えに納得した。確かにそうだ。人は妄想する。何か問題を抱え、それが明日や1週間後にどうなっているかを考えた時、今日と昨日にしか生きられない俺達に未来はわからないのだ。未来は妄想としてしか表れない。結果を解っていて、そこへ導かれたとしても絶対に気づくことは無い。経験と推論から立てた自分の予想が当たったと思うだけのはずだ。
「過去への時間旅行は、過去には影響を与えないけれど、今には大きな影響が出るのよ。それが何かわかる?」
俺とメグは理沙が続けた次の言葉に驚いて顔を見合わせた。それは新たな疑問をもつことでもあったが・・(続く)
クウネル日記
今日も天気がいいですね
昨日は天気が良いのになぜか情緒不安定な気分。撮影に行きたい気分でも無く、これじゃいかんと気分だけ焦ってました。
小説を書く気も起きず、眠くも無く(笑)新聞を見ていたら日南市で市美展が開催中との記事を見つけました。100点あまり写真が展示されていると言うので観にゆくことに。油津で漁港光景を撮れるし・・・ってことで昼前に出かけました。
都城市美展と違って絵画は少なく展示も各部門ごと。体育館を展示しているので随分見やすい。順に歩けばいいだけ(笑)やはり各部門ごとの展示が見やすいと感じました。
で、油津漁港へ行ったのですが、やっぱり朝か夕方でないと写真は面白くないです。ぶらぶら歩いても何も感じない。たんに感受性が無いだけなんでしょうが(笑)
で、赤レンガ館周辺をぶらぶらしたのですが、なぜか花にしか眼が行かない。それもズーム1本だけなので撮りたいように撮れない(笑)レンズの選択を間違えたと思う反面、レンズ特性を身体に覚え込ませるためにも1本でどうにかすべきじゃないかと、迷ったままで終わりました(笑)いつも反省はするのですが進歩しないクウネルです(笑)
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