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2016年05月09日06:18

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小説・限無幻夢 (時間旅行 2)

小説・限無幻夢 (時間旅行 2)

「二人で何をしてたの?」
 ドアが開かないので真奈美は何度もドアを引いた。メグが来ているのは駐車場に止まっている車でわかっているようだ。ガチャガチャと音を立て何度もドアを押したり曳いたりさせて鍵を開けたメグを睨みつけ、真奈美はまっすぐカウンター俺の横に来た。メグを無視している。
「マスターお冷」
「何時だと思ってるんだ。もう閉店したぞ。お冷が欲しいなら自分で勝手に飲め」
「やだ。マスターのお冷が飲みたい」
「もう・・真奈美ちゃん・・マスターも疲れてるんだから・・わたしがお冷入れてやるわよ・・」
 メグが製氷から氷を出し、グラスへ入れて真奈美の前へ置く。真奈美は黙って口へ運んだ。
 椅子に浅く尻を付け、肩を背もたれへ投げて足を伸ばしただらしない恰好。短めのスカートを履き股を広げているので、太ももが露わになってパンツまで見えそうだ。
「女なんだからちゃんと座れよ、だらしない・・」
 俺の言葉を真奈美は聞こえないふりをしてカウンターの上に置いてあった俺のタバコに手を伸ばす。
「旦那に止めるって約束してるんだろう?」
 真奈美の手がタバコを掴む前に取り上げた。真奈美は3年ほど前、24歳で2歳年長の教師と結婚した。学生時代から付き合っていた彼である。彼は結婚と同時に移動で県北部に赴任することになったのだが、真奈美は彼だけ単身赴任させた。今は別居中で、週末だけ夫婦をしている。子供はまだいない。
 真奈美の夫は酒も飲まずタバコも吸わない。学生時代からタバコを吸う真奈美は嫌いだとぼやいていて何度も禁煙を勧めた。真奈美はたばこを止めることを約束したのだが彼の前で吸わないだけで止めてはいない。彼に内緒で吸っているのだ。
「いいじゃん。ここでしか吸わないんだから」
 真奈美が素早く手を伸ばし俺が吸っていたタバコを取り自分の口に咥える。
「やだ、間接キス・・」
 メグのことばに、俺は真奈美の口からタバコを取り戻すことが出来なくなった。真奈美が口に咥えた物を吸うことは出来ない。それはメグの心を傷めることになる。かといって取り上げたタバコをすぐに消してしまうことも出来ない。今度は真奈美がすねるのだ。この二人の間で、なぜか俺はいつもオロオロする。客が一人、いや二人同時に減ったってかまわないと、いつも思っているのだが・・(続く)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 梅雨みたいな雨の降りようです。しばらく雨が続きそうですねウッシッシ今朝など雨合羽を着ているのに、衣服が濡れていました。袖口などから滲みたようです。このまま梅雨入りじゃないかと新聞販売店の所長が言ってましたが「まさか?」ですよね(笑)
 それにしても夜明けがずいぶん早くなりました。最後のコースを配る頃には空が白んで来ます。懐中電灯が無くても配達できます。
 代わりに朝焼けの写真は撮れなくなりましたね(笑)配達を終えてからでは間に合わない。やっぱり寒さをこらえながら撮れと言うことでしょうか?いやですね。寒いのが苦手で暖かくなったら頑張って朝の写真をと思っていたのですが(笑)

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