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2016年05月08日05:50

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小説・限無幻夢 (時間旅行 1)

小説・限無幻夢 (時間旅行 1)
 身体が揺れている。いや、ぐちゃぐちゃに揉まれている。全身に走る激痛、引っ張られ反発し歪む肉体。何も見えない。闇のトンネルだ。どうやらトンネル自体が痙攣をおこしているらしい。周期的に収縮したり休んだりを繰り返している。妙に生暖かい。なぜかこの感触には記憶がある。
 産道?俺は母親の身体から産まれ落ちようとしているのか?いやそんなはずはない。俺が産まれたのは60年以上も前のことだ。夢を見てるのか?いやそれにしては生々しい。女と一夜を共にして、今まさに肉体が女の身体に埋没しているような恍惚感。俺は性行為の真っ最中か?
「ゲンムゲンム・・」
 女の声が聞こえる。そう唱えながら俺の身体に強くしがみつく。ゴムボールとは違った柔らかさが俺の胸に押し当てられている感触。女の左手が俺の首に巻き付き、右手は俺の右手を放すまいと強く握っている。俺の左手と言えば・・そうだ。女の短いスカートをたくし上げ太ももから尻へと伸びようとしている。身体が熱い。とろけて腰が砕けそうだ。
「ゲンムゲンム・・」
 せつない女の声が耳元であえいだとき、ふと我に返った。駐車場に入って来た車がある。ライトが大きく回転をし止まった。それに気づいて俺の身体が反応したようだ。一瞬で状況を把握した。眼の前にメグがいる。閉店後に顔を出したメグに呼ばれて、俺は照明を落としたホール席のベンチに行ったのだ。カウンターだけライトが残っていて、その灯りで薄暗かったが移動には不自由が無かった。
「マスター見て見て、満月がとてもきれい」
 洗い物を終え、さて・・と、たばこを咥えた俺を横目に、メグはそのまま薄暗いホール席へ行き、窓から見える満月が美しいと俺を呼んだのだ。メグが満月に興奮するのは今日に限ったことでは無い。満月の夜、不思議とメグは高揚する。そんな姿を何度も目撃し、狼女じゃないか?と俺はいつもからかっていた。
 その日は特に美しい満月で、そろそろメグが顔を出すのではと心待ちしていた俺は、すぐにメグに並んで窓辺に立ち一緒に月をながめた。すぐ前が道路になっているのだが、朝夕の通勤時間以外はめったに車が通らない。買い物に出る奥様の車か、畑へ出る耕運機がたまに通るだけだ。それも夜になるとめったになく、思い出したようにしか車が通らない県道だ。
 薄暗いテーブル席のベンチで、俺はいつものようにメグを狼女とからかい、違うとメグは否定していた。何かの拍子に身体が触れ、ふいに高まった欲情に我を忘れそうになっていたその時に県道を通った車、カウンターに灯が残っているのに気付いたのだろう、ブレーキを踏んで車を止め、Uターンして駐車場に入って来た車。
 誰であるかは察しがついた。真奈美だ。閉店後でも深夜でも、カウンターに電気を点けていると顔を覗かせるのはメグと真奈美しかいない。メグは眼の前にいるのだから真奈美であるはずだ。
「また邪魔された・・」
 メグが不満げな声を上げて離れる。そして小走りに玄関へかけ鍵をかける。いたずらな心に意地悪が混ざっていることを見ながら俺はカウンターへ戻り、改めてタバコを咥え火を点けた。(続く)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 GWの後は土日がすぐ来たんですね。曜日感覚が無く、7日に郵便局でお金を下ろしてと予定していたクウネルはお金が引き出せず急な貧乏になりました(笑)昨日は天気も良かったので、9時に郵便局〜ガソリンを入れる〜志布志町までドライブ〜海沿いに日南市まで行き、撮影スポットに出来そうな漁港・漁村を見つける・・と計画していたのですが9時過ぎに郵便局行ったのに「ん?休み?」シャッターが閉まっているので「なぜ?」と携帯電話のカレンダーを確かめると土曜日(笑)午前中は開いてると思ったのですが違うのですね(笑)
 所持金は3千円ちょっと・・ガソリン入れたら日曜日に飯が食えないかも知れない(笑)貧乏人は貧乏人らしく過ごすしかないですね(笑)そのまま帰宅し、せっかくの天気だから洗濯(笑)
 今日は幸い雨が降り出しました。お金が無いからと部屋に籠っていても気づかれません(笑)ある意味良かった(笑)
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