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2016年05月07日06:33

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小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 13)

小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 13)
「ゴキブリはわたしも食べたことが無いけど・・」
 微笑みながら理沙がメグと俺の会話に割り込んで来る。
「わたしが言った特異な遺伝子ってことは、タンパク質だけでなく、血にも関係してるってことなのよ。タンパク質や細胞の分解再構築作用で、誰でもタイムトラベル出来るってわけでは無く、特別な血を受け継いでいることが条件なの」
「その特別な血ってのは血液型では無いと言うことね」
「だろうな、オートファージ―は過剰なタンパク質や細胞の働きだし、薬品投与などで過剰にしようとしても自己修復作用ってのがあるはずだ」
 俺とメグが反応を違えて理沙に訊ねる。
「自己修復って・・?」
 俺はメグに答える。
「詳しくは知らないけど、生き物は命を守るための再生能力があるらしいよ。免疫力と言うのかな?風邪や腹痛など、ちょっとした病気、それに傷など自然と治そうとする力が起こって、たいてい自己治癒するじゃない・・肉ばっかり食べてても、野菜ばっかり食べてても、どこかで身体に必要な物を補充してるって言うし・・」
 理沙は俺とメグの会話を無視した。
「古代史の謎はわたし達の時代でもわからない部分が多くてね。宇宙人飛来説は非科学的だけど、ありえないと否定できないのもまた確かなの。で、ずっと研究調査が進められて来たわけだけど、世界に時々ではあるけどお爺ちゃんやメグ叔母ちゃんのような体質が現れるってことがわかったわけ・・それは突然変異では無く古代から続く遺伝であることもわかってるの・・親子代々ってことでは無くてね、何らかの条件が必要だろうと思うけれど血筋の中に突然生まれるのよ。能力の差はあるけどね」
「・・・」
「・・・」
「そう言う時々生まれる遺伝子をたまたま私たちは持っていると言うわけ・・」
「・・」
「・・・」
「つまり、わたしは未来へタイムスリップすることは出来ないけど、わたしの住む世界へも同じ血を引く者が来て、わたしの場合は12歳の少年だったけど・・同じ血を引く者を探し当て、タイムトラベルの技術を伝えたってことなのよ。わかる?」
 そう言えば理沙は西暦何年の人間なのだろう?ふと俺はそう思った。いやそういうことを聞くのは無駄だろう。未来の社会を知る意味は無いのだ。俺達は過去へしか戻れない。理沙だって未来へ行けないのだ。今日は昨日に変わっても明日に変えることは出来ない。人に明日は無く、今日は昨日にするしか出来ないのだ。(この章終わり)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 唐突ですが、小説「今日と言う昨日」の章は今日で終わりです。ありえないことをひょっとしたらと思わせるために、ほとんど知らない科学の言葉を聞きかじりのままに繋ぎ合わせたりしていたのですが、知識が無いのだから無理ですよね(笑)
 今回は思いついたことをネットで調べたりして嘘をほんとうらしく見せる努力をしているわけですが、嘘は嘘のまま、妄想の面白さしか書けませんねやっぱり(笑)
 でも小説は場面を変えて懲りずに続けるつもりです。これまで書いたことを伏線に話しを展開したいと思ってはいます(笑)
 
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