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2016年05月05日07:08

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小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 11)

小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 11)
 俺は新聞をあまり読まない。政治や事件に関心が無いからだ。社会がどう動こうが自分には関係無いと思って過ごして来た。生きる意味を見出そうと努力はしたのだが自分なんていてもいなくても良い存在であり、出来るだけ早く消えたいと願って来た。
 新聞を取っているのは新聞配達をしているからであり、唯一の趣味である写真を撮るためにイベント情報をたまに見るためである。熱心ではないが時にはファインダーを覗いて見たくなる。自分の心の状態を見るためである。
 20代前半だったろうか?自殺願望が強くなった俺は死ぬ前に生きた証を残すべきではないかと考え、夢中で写真を撮りまくったことがある。眼にしたもの気になったものに、ただ夢中でシャッターを押しただけであったが、いつも大量にフィルムを買ったり、現像・プリントを頼んでいた写真屋の親父から突然声をかけられた。死ぬ気じゃないのかと。なぜそんなことを言うのかといぶかしむ俺に、写真屋の親父はただそんな気がすると答えただけだった。カメラを買いレンズを買い、フィルムを買い、勧められるままにフィルターだ三脚だと何でも買ってくれる上客の俺がいなくなると商売に困ると笑った。
 大阪で働いていた頃の話しだ。自分の写真に心がどう写し込まれているか、俺にはわからなかったが、自殺するつもりで写真を撮っていたのは確かだ。どうしてわかったのかと訊ねる俺に、写真は心が写ると親父はただ笑っただけだった。それで死に祖母れた。
 写真を撮る度に今はどう写っているのだろうと思う。それを見るために写真を撮っているのかも知れない。
 理沙が言うオートファジーと言う言葉は、たまたま見た新聞の健康歳時記と言うコラムに載っていたはずだ。まだ読んだばかりである。ネズミのイラストに眼が行って何気に読んだ。昨日だったか、今朝だったか・・
「新聞で見たよ。コラム欄に載っていた」
「ブラックホールが出来るほどの重力を加えるってのは、地球が吹っ飛ぶほどの爆発量が必要なのよ。それではタイムトラベルどころか存在そのものの消滅になるわよね。それで注目されたのがオートファジーなの。タンパク質や細胞レベルをタイムスリップし、再構築させるのならそれほど大きな爆発は必要ないわ」
「でも・・あれは過剰なタンパク質の分解であって、人間そのものを分解するってことでは無かったのでない?」
「そう・・ずっと研究が進むとね。ある特異な遺伝子に個体ごとワープ出来ることが解ったのよ」
「すごい・・それって・・もしかして・・わたしやマスターにその遺伝子があるってこと?
 メグの眼が輝く。 特別と言う言葉に強い関心を持っている。これも女性の特徴なのだろうか?俺はそう思った。わたしだけという想いは女性の優越感をくすぐるようだ。が・・と俺は思う。特異と言うことは普通でないと言うことだ。特殊な血液型で手術が出来ないとか・・あ、俺は何事も無く手術が出来たのだからそれは無いか?
「血液型を発想するとはさすがね」
 理沙が俺を見る。メグも俺を見る。理沙はこの後、どんな話しをするのだろう?メグと俺の興味が一致している(続く)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 朝焼けがきれいな予感がして、新聞配達を終えると同時に三股町まで車を走らせました。早馬神社のすぐ下の河原が朝焼けの撮影スポットにならないかと、先日思ったのです。朝陽がどこから昇り、景色がどう変わるか?一度は確かめておきたいと思っていた場所へ「行くなら今日だ」と・・
 残念。朝焼けは陽が登る前の一瞬ですね。現場に着いた時は時間が遅く、すぐに色がなくなってしまいました(笑)陽が登ると色が出るのではと期待して待ったのですが、駄目でした(笑)夜明けが遅い冬場にならないと無理なようです。朝霧が出るような季節に再チャレンジの必要がありそうです(笑)

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