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2020年01月27日18:26

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「ジョジョ・ラビット」

第二次世界大戦末期のドイツを舞台にしたアメリカ映画です。
10歳の少年ジョジョは、青少年集団ヒトラーユーゲントに入団し、一人前の兵士を目指していました。しかし、心優しいジョジョは訓練中にウサギを殺すことができず、教官に「ジョジョ・ラビット」というあだ名を付けられます。ジョジョを励ますのは、なんとアドルフ・ヒトラーでした。彼にしか見えない、空想上の友だちの・・・です。

母親と二人で暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまいます。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女でした。下等な悪魔と教えられていたユダヤ人でしたが、自分たちと何ら変わりない人間だと気付き、ジョジョは聡明なエルサに次第に惹かれていきます。

冒頭、ヒトラーに熱狂する群衆の記録映像に、ビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版をかぶせる演出にびっくり、ポップでコメディタッチな場面が続きますが、重くリアルな現実もしっかり描いています。
全体主義、集団ヒステリーに支配されたドイツを、現代社会と重ね合わせ、その危うさに警鐘を鳴らす映画です。

主人公のジョジョ役をローマン・グリフィン・デイビス、初出演とは思えない名演です。ナチスにあらがい、できることをするという母親役のスカーレット・ヨハンソンも好演です。俳優でもあるワイティティ監督が、ジョジョの空想の友だちであるアドルフ・ヒトラーに扮しています。マオリ人とユダヤ人のハーフである監督が、偏見にさらされて育った経験を生かし、辛口のユーモアを交えて、楽しみながら考えさせる映画です。

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