Amazonへの苦言

Amazonの無料会員となって2年半になるが、今回ほど残念な注文はなかったと思う。

今月6日（金）、5つの商品を同時に注文したのだが、そのすべてが個々のページにおいて
「Amazonからの発送、10日（火）に到着予定」と明記されていた。
注文確定の画面でも「10日に到着予定」と表示され、それを踏まえて発送オプションで
「できる限り商品をまとめて発送」を選択したのだから、「10日にまとめて商品を受け取る」
との契約に同意したものと認識していた。
少なくとも、「準備ができた商品から発送」に同意した事実はない。

ところが翌7日、1つの商品について「8日（日）の到着予定で発送した」とのメールが届く。
当初の予定が変更された理由などの記載はなく、突然の事後報告に困惑するばかり。
「商品を少しでも早くお届けするため」などとあったが、そんなことは微塵も望んでいない。
到着を急ぐ利用者は、プライム会員になるか有料オプションを適用すればいいだけの話。
ただ、8日も商品を受け取れる状況だったので、そのまま到着を待つことにした。

しかし、お歳暮シーズンの繁忙期であるためか、運送業者の追跡情報が二転三転。
「配達中」かと思えば「配達予定」に変わり、また「配達中」になるといった感じ。
結局、8日は空振りに終わり、9日（月）になると「11日までの到着予定」という表示に。
後発の商品より後になる可能性も浮上していたが、9日の20時過ぎにようやく到着。
待つことは地味にストレスが溜まるものだと、改めて感じることとなった。

翌10日の正午、何事もなかったかのように、後発の商品が予定どおりに到着。
すべての商品の受け取りが完了したが、こちらが望まない不可解な措置により翻弄され、
精神的な疲労感を否定できない状況だった。

かくして、極めて後味の悪い買い物となってしまった。
先発の商品の到着が遅れたのは不慮の事故であり、運送業者を責めるのは酷なこと。
ただ、当初の予定どおりに発送されていれば回避できた事故であるから、
事態の説明と再発防止を求めるため、Amazonのカスタマーサービスに問い合わせた。

先方からの回答の趣旨は以下のとおり。

Amazonでは商品を複数箇所で管理しているため、注文時に「まとめて発送」を選択しても
発送が分かれることがあるので、理解してほしい。

つまり、今回の事故は「Amazonにおける管理上の都合」に起因するものであるとのこと。
ただ、これは利用者の同意を得ずに発送を早めたことへの説明とはならず、管理上の
都合による変更が「早くお届けするため」と偽装されていることに違和感を覚えた。
やむを得ない事情があるなら、利用者へ正直に説明すべきだと思うのだが。

で、お詫びとして「クーポンを進呈した」と言ってきたことで、違和感はさらに募ることに。
おいおい、オレをクレーマーとして処理するつもりかよ。
丁重に辞退し、そのとおりに事が運んだのだが、後味は苦味を増しただけだった。

Amazonからの回答は丁寧な文面ではあるが、どこか的外れな主張をしている感がある。
明らかに日本人ではない担当者もいるらしく、クレーム対策のシフトなのかもしれない。
「心がない」とまでは言わないが、巨大資本による無機質さを感じざるを得なかった。

Amazonが取り扱う商品の多彩さは魅力的であり、好奇心が尽きないところであるが、
発展に伴う「影」の拡大も事実のようであり、積極的な利用を考えさせられる場面もある。
最近では、Amazonのサイトを商品カタログとして利用し、可能な商品については
実際に店舗で自分の目で見てから買うようにしている。
少なくとも、こうすることで注文ミスや返品はなくなるのである。

買い物においては「安さ」と「早さ」が重視されるが、最も重要なのは「快適さ」だと思う。
今回のAmazonの件ではそれがなく、ただ配送に携わる方々を混乱させただけに思える。
配達の回数が増えれば、それに比例して配送作業も増えることとなり、
それを強要してまで商品の到着を急ぐ必要はないというのが、多数派の意見だと思う。

一定の購入額があると言えども、送料無料でご尽力をいただいているのだから、
利用者は配送に携わる方々への敬意と配慮を忘れてはならないはず。
でも、その「当たり前」ができない人間がいるのも事実であり、
そのためにクレームが絶えず、ストレスがさらなるストレスを生む。
そんなところだろうか。

今回、先に届いたのは一升瓶の日本酒で、それが空になるまでは苦い記憶が残ると思う。
同時に注文した服がお値段以上の良品で、サイズもピッタリだったのは救いとなったが、
Amazonの利用は今回が今年最後になったと思われる。