mixiユーザー(id:5753041)

2019年04月22日14:01

111 view

鳥人間・再起動への安息

先月、山梨県庁とのやりとりの結果、不本意ながらも最低限の研究実績を確保した私。

鳥人間・再起動への寄り道
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970935938&owner_id=5753041

新年度を迎えた今月10日、プロジェクトの一環で新たな動きを開始させた。
それは、山梨県庁における数少ない恩人たちへの挨拶。
ブラック県庁には恨みしかないが、だからこそ個人の記憶は大事にしなければならない。
そして、現在の彼らから何かを学び活かせれば、最高の恩返しになると思うのである。

挨拶をすべき恩人は3名だが、いずれも確実な連絡先が不明だった。
携帯メモリーを消去してしまったのが原因だが、最も親しい関係にある方の番号は、
幸運にも本人から教わっていた語呂合わせで暗記していた。
番号の変更も想定されたが、挨拶がしたいという趣旨の携帯メールを送った翌日、
指定した私のPCアドレス宛てに、先方からのメールが届いた。

その方は農業技術職の大先輩であるが、私は常に「先生」と呼んでいる。
私は大学卒業後に山梨県の農業大学校に入校しているが、そのときからの恩師である。
元々、私は青年海外協力隊への参加を視野に、農業技術の習得を目指していた。
しかし、先生の考え方に感銘を受け、同じ県職員を志したという経緯がある。
県庁を退職する際、先生へは報告をしているが、その後の私は逃げるように去ったため、
正式に感謝の意を伝えることができていなかったのである。

先生からのメールは私の挨拶を歓迎するなど、以前と変わらない温かみのある内容で、
私の涙腺はすっかり緩んでしまった。
その後、山ほどある伝えたいことを5日ほどでまとめ、お礼の言葉としてメールを送信。
先生への感謝はもちろん、私の近況や今後の進路についてまとめたが、
やはり山梨県庁における暗黒時代の記述が多くを占める結果となった。

ただ長いだけの拙文であったが、それを一読された先生には刺激があったらしく、
返信として何度かに分けて話がしたいとのこと。ただ、先生からのお話は最初から
内容がショッキングで、ブラック県庁の劣悪さを再認識する形となった。

先生が昨年度まで在籍されていた農務事務所という出先機関では、
2名の若手職員が心労から窮地に立たされていたとのこと。
一人は傷病休暇を取得するも、昨年度で退職。
もう一人は急性胃腸炎で、いつ退職してもおかしくない状況。
これは一つの所属内における、20名ほど在籍する農業技術職のみに関する情報である。

こうした状況は予想どおりであり、今の私はブラック県庁とは無縁である。
ただ、苦しむ若者の姿を想像すると過去の自分と重なり、無条件で悲しい気持ちになる。
先生は、組織として取り組むべき本来の業務が遂行されておらず、その結果として
若手が萎縮していると指摘。それは、私が10数年前に痛感した閉塞感そのものであり、
あの組織はその後も何一つ進化していないらしい。
要するに、農業振興と称して、税金を食い物にする「ごっこ」をしているだけということ。

先生は今年度で定年を迎えられる。
現在、先生は「普及」と呼ばれる、現場での農業振興を統率する立場にあるらしい。
当初の予想では、どこかの所属長を務められているだろうと思っていたが、
どうやら昨年度とは別の農務事務所の副所長に相当する技術次長らしい。
先生は山梨県庁で最も優秀な職員の一人だが、そうした人材が最上位に立てないのは、
どこの組織も同じようである。
もっとも、先生は出世などに興味はなく、ただ自分が楽しいと思う仕事を実践できるよう
努力をされてきたまでの話だろう。

山梨県での9年間、私は全期間において、先生から多大な影響を受けることとなった。
お礼の言葉をまとめるにあたり、先生との思い出を回顧することとなったが、
過去の私はなんだかんだで、ずいぶんと愉快に過ごしていたようである。
その記憶を霞めてしまうほどの厄災があったのは事実だが、
窮地に立たされた私を精神的に支えたのも先生であった。

「偉大なる変人」
私は先生をこう称しているが、大人物と出会えたことを心から幸せに思う。

残念ながら、私が山梨県を訪れることは二度とない。
再会の可能性が極めて低い相手に挨拶をするのは、合理性を欠いていると思うが、
先生への感謝を伝えられたことで、私の心は新たな局面を迎えたようである。
今後の先生からのお話は楽しみであるし、残り2名の恩人ともぜひ対話をしてみたい。

暗黒時代の終わりを象徴するかのような、安息の日々を過ごしている私である。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する