襲撃と木目の誘惑

ハエトリ出現率が毎度かなり高めのＦさん宅玄関脇にて、当のＦさんが出てくるまでの短時間にその襲撃場面を目撃。
片や成体とおぼしきシラヒゲたぶん男子、片やまだ歳若きとおぼしき小さなミスジ男子。
どちらも覗き込む拙の目を気にしてか、やけに活発な動きを見せ始める。
右手シラヒゲの方へ何故か近付いてゆくミスジのやんちゃ坊主。
予想通りシラヒゲがそれに気付き、こちらからもミスジとの距離を縮める。
跳躍して襲いかかるシラヒゲ、素早く逃げるミスジ。
次の瞬間ミスジは拙の視界より消え、建物の角に沿った縦雨樋の脇に、ひとり呆然たる様子のシラヒゲのみが残る。
おそらくミスジ小僧は、その縦雨樋と建物の間にできた細い隙間を通って、向こう側へ逃げおおせたのだろう。
この場面、時間にすれば１分ほどではなかったかと思われる。
どうやら奇跡的瞬間を目撃しちまったようだけど、これはやはり日頃からハエトリアイを光らせているからなのかも知れないね。