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2022年05月22日00:13

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映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

2017年のアメリカ映画、
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を見ました。
報道とは誰のためにある、
その答えがわかる映画でした。

ベトナム戦争の真っただ中、
「ニューヨーク・タイムズ」が
政府の極秘文書
「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在を暴き、
ライバル紙の「ワシントン・ポスト」の
キャサリン(メリル・ストリープ)と
部下のベン(トム・ハンクス)も立ち上がるが…
ってお話。

まず、報道の自由という名のもと、
いかに読者の興味を引くかという、
新聞社同士のせめぎあいが興味深いです。

向こうがそう書くなら、
こっちはこうだ。
報道とはそんな緊張感の中、
しのぎを削っているのですね。

でも、そのせめぎ合いの中、
報道することの意味、
誰のためのせめぎ合いなのか、
そんな疑問も抱きます。

次に、スクープを出すためまでの
いきさつがスリリングで、
とても面白いです。

とにかく走って、こっそり手渡し。
人の目をかいくぐって、
極秘文書の引き渡し。

少ない時間でみんなで手分け。
これは出したい、でも出さない方がいい。
それは政府の極秘文書だから。
ハラハラドキドキ、
果たして報道されるのだろうか、
観客はそのスリルを大いに楽しみます。

そして、報道は誰のためなのか、
その答えが明示されて納得します。
最終的にキャサリンが決断を下します。
報道にGOを出すのです。

それは自分自身の責任者の立場として、
自分への評価を乗り越える瞬間でありつつ、
報道の姿勢を明確にした瞬間でしあって、
とても感動的なシーンです。

政府の極秘情報を報道することが、
国民のためになるのか。
報道することで
国民を混乱に陥れてしまうかもしれない、
政府に反発することになってしまう、
その葛藤は大いにあったでしょう。

でも、結局は“国民のため”に、
報道するのです。
それは、真実を知らずに、
命を懸けてベトナムの戦場に赴いた、
たくさんの若者がいたという事実があったから。
キャサリンの決断に他の新聞社も追随します。

報道がテーマの作品で
少々お堅い映画でもありますが、
物語がスリリングで終始観客の興味を引き、
とても面白い作品にできあがっています。
それは、監督がスティーヴン・スピルバーグだから、
ということでしょう。

映画史に残る名優のふたり、
トム・ハンクスとメリル・ストリープが
並び立つだけで圧巻。
さすがな演技力で難解なテーマでも、
見ごたえを観客に与えてくれます。

報道とは誰のためなのか知りたいとき、
スリリングな物語のスリルを味わいたいとき、
そして、トム・ハンクスとメリル・ストリープ、
名優ふたりのやり取りをじっくり鑑賞したいとき、
オススメの作品です。
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