■恩田陸「薔薇のなかの蛇」2021年5月講談社刊
10年ぶりに、恩田陸のホラーミステリーを堪能しました。
私は、恩田陸の小説は結構読んできていましたが、ここ10年ばかり、
なんだかご縁がなくて遠ざかっていました。
約10年前に読んだのが、「夢違」で、読書日記も書いていました。↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1815617992&owner_id=5540901
その後、なぜか縁遠くなり、その間、近年の恩田陸の活躍は素晴らしいですよね。
2017年に「蜜蜂と遠雷」で、第156回直木賞と第14回本屋大賞をダブル受賞
して、とても眩しかったのですが、なんだか手が伸びませんでした。
それが、なんで本書に手が伸びたかと言いますと、私は、恩田陸のホラーミステリ
が好きだったことを思い出しました。本書もそうなんです。
恩田陸が1992年に世に出た「六番目の小夜子」がホラーミステリなんです。
さてさて、本書の惹句を紹介しますね。
“変貌する少女。呪われた館の謎。「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!”
“英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と
呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。そこには国家の経済や政治に
大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。”
“美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。
折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と
名付けられた謎めいた事件が起きていた。”
“このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、
とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。屋敷の敷地内で、真っ二つに
切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえ
のごとく。”
“可憐な「百合」から、妖美な「薔薇」へ。正統派ゴシック・ミステリの到達点!”
私は、本書をホラーミステリといいましたが、ゴシックミステリともいうのですね!
小説の目次は、あまり意味を成しませんが、まあ、雰囲気を味わってもらうためにも
引用したくなりました。↓
目次
• 序章
• 第1章 ミッドナイト
• 第2章 ブラックローズ
• 第3章 スキャンダル
• 第4章 アクシデント
• 第5章 バードウォッチャー
• 第6章 ミッシング
• 第7章 イリュージョン
• 第8章 シークレット
• 第9章 プレイハウス
• 第10章 ストレンジャー
• 終章
なんとなく、意味ありげでしょ。でも、これが恩田陸ワールドなんです。
その意味で、本書は、久しぶりの恩田陸ワールド全開の、恩田陸祭りでした、
私にとりまして。
やはり、恩田陸ファンであることを痛感した読書でありました(^^♪
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