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2021年02月19日08:56

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読書日記Nо.1335(語り継ぎたい日本がここにある)

■田中優子・松岡正剛「江戸問答」2021年1月岩波新書

読書日記も今回で、1335回目で、2006年7月から始めたので、足掛け15年目に
突入している。

最初は、手探りで、短い感想文のような感じで書いていたが、だんだんと、文体
らしきものができてきて、文体ができると、気流に乗った感じになり、その勢い
に乗れたので、継続が出来ている。

出来栄えは、まぁ、皆様の評価におまかせするが、出来不出来は当然あって、
内心忸怩たるものがあり、でも、書評のような立派なものではなく、あくまでも
読書日記であり、読書サロンに提出する、対話の肴なのだと、割り切っていたりする。

閑話休題。

さてさて、本書でした。

この読書日記のテーマのひとつに、日本とは何だろう、という素朴な疑問があって、
関連する本を手に取ることも多く、本書の場合は、対談者のお二人になじみがあって、
いずれも、昨年から今年にかけて、手に取ってきた。

まず、松岡正剛さんは、以下↓。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976357587&owner_id=5540901

続いて、田中優子さんは、以下↓。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978091064&owner_id=5540901

松岡さんの↑の本は、タイトルもズバリ「日本文化の核心」で、本書にも反映されて
いるし、田中さんは、江戸文化が専門なので、本書はお二人のストライク本。

遅ればせながら、本書の惹句を紹介。

“1月20日、田中優子さんとセイゴオの対談本『江戸問答』(岩波新書)が刊行された。本書は、2017年に刊行された『日本問答』の姉妹本。”

“『日本問答』では、日本の歴史文化を古代から現代まで、縦横無尽に点検しながら、
セイゴオのコンセプトである「日本という方法」や「日本の面影」を再発見していく
対話が展開した。”

“今回の『江戸問答』は、「1 面影問答」「2 浮世問答」「3 サムライ問答」
「4 いき問答」の4つの章立てで、現在のコロナ禍も含めた日本のさまざまな問題
を解く方法を江戸社会や江戸文化に求めつつ、近代以降に日本が失ったものを徹底的
に追究しる。”

“江戸の融通無碍な多様性をなぜ日本人は捨ててしまったのか、江戸文化論はあるのに
江戸文明論がないのはなぜなのか、日本が誇るべき教育システムはかつてあったのか、『武士道』が描いた武士は本当に存在したのか、近代以降の文学はなぜ「私ごと」
ばかり描くようになったのか……。相互に難問奇問を投げかけあいながら、日本が
いま取り戻すべき方法論を探るスリリングな対話が展開していく。”

お二人はあとがきで言う。

“有機的なつながりをもった文明論をばらばらにしたうえで、個々の要素を良いとか
悪いとか言っても文明批評にはなりません。デュアル、編集力、幕末明治の緊急時など
をたよりにしながら、江戸文明を言葉にしたかったのです――田中優子”

“令和の世にいても、たえず江戸の思索や表現の事情は現在化したくなるものなのだ。
江戸は決して遠くない。われわれの日々のかわたらのバックミラーには、いつも西鶴
や近松や、百鬼夜行絵巻や南総里見八犬伝が遠近のサイズを変えながら映ったままに
なっているはずなのだ――松岡正剛”

博識のお二人の知識量にも圧倒されたが、とにかく対話がスリリングかつインスパイア
フルで、読み終えても、しばらく、知的興奮が収まらなかった。

至福の読書体験(^^♪
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