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2021年02月03日18:15

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読書日記Nо.1331(立春の今宵、空想居酒屋で一献!)

■島田雅彦「空想居酒屋」2021年1月NHK出版新書

今年は、節分も立春も、124年ぶりに、2/2と2/3だという。

昨晩の節分は、初めて恵方巻を買って、春の訪れを寿ぎ、コロナ退散を
祈りながら、南南東に向けて恵方巻をほうばった。

思えば、コロナ禍になって、仕事での会食をしたのは、昨年の2月で、
週に2〜3回は、会食をしていたのが、遠い昔のように思える。

行きつけのお店も何軒か、この一年で、バタバタと店を閉じた。

そんな鬱憤を、払いのけたく、書店の店頭で本書を見て、思わず手に取った。

著者は、馴染みがある、島田雅彦さん。

島田雅彦さんは、1961年生まれの作家で、東京外国語大学ロシア語学科に
在学中に、「優しいサヨクのための喜遊曲」を発表して、海燕文学新人賞を
受賞した。

私は、当時、「海燕」を出している教育出版社の大阪支社に在籍していて、
担当は、出版ではなく教育系の仕事をしていたが、島田雅彦さんのサイン会
を、京大生協書籍部でやるというので、駆り出された。

あの、ういういしかった島田雅彦さんが、今や、それなりの貫禄のある50代の
作家になったことに、感慨がある。

島田雅彦さんの本は、この読書日記で、一度取り上げたことがあり、↓。

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1961219133&owner_id=5540901

さてさて、本書、惹句を紹介。

“そこに酒があり、ドリンカーがいれば、即酒場。”

“コロナ禍で外食産業の大手チェーンが大打撃を受ける一方、デリバリーを軸とした
ゴーストレストランが増えてきている。ポスト・コロナの飲食店はどうなってしまう
のだろうか。”

“そんな中、国内外の酒場をハシゴして40年、包丁を握って35年の「文壇一の酒呑み
&料理人」が、ついに理想の居酒屋“masatti“を開店した?”

“芥川賞最多落選の芥川賞選考委員が放つ、気宇壮大かつ抱腹絶倒の食エッセイ!
(レシピ&カラーページ付)”

目次も全部紹介しちゃいますね。

1.マッコリタウンの夜
2.「離れ」としての居酒屋
3.臨時居酒屋の極意
4.「揚げ物王」はどれだ?
5.屋台というハッピー・プレイス
6.豆腐と卵
7.空想「鍋フェス」
8.空想居酒屋の「炊き出し」
9.魅惑の寿司屋台
10.健康度外視珍味偏愛
11.鰻
12.コロナ時代の食
13.免疫向上メニュー
14.ポスト・コロナの飲食店の行方
15.闇市メニュー
16.奇想料理とベジ呑み
17.スープで呑む
18.世界の屋台に立つ
19.「何処でも居酒屋」開店
20.歓迎光臨 天ぷらMasatti

2度目の緊急事態宣言が、3/7まで一か月延長され、世の中の居酒屋は、本当に
青息吐息で、酒の注文は午後7時までで、午後8時に閉店なんて、苦行以外の
なにものでない。

なんとか生き延びて欲しいという祈りに乗せて、今宵は、書物のエア居酒屋に
逍遥してみたい。

本書の最後に、島田雅彦さんは言う。

“コロナ禍は今しばらく終息の気配はなく、飲食店の苦境は続く。すでに私の愛して
やまなかった酔客本位の居酒屋も数軒、店をたたんでしまったが、早晩、復活の日
が訪れるだろう。”

“今は冬眠でやりすごし、春が巡ってきたら、ひとまず「何処でも、居酒屋」から、
活動を再開してくれるのではないかと、密かに期待している。”
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