■中野信子「ペルソナ 脳に潜む闇」2020年10月講談社現代新書
私は、一般向けに書かれた、脳科学の本も道楽読書のジャンルのひとつにしていて、
養老孟司さんや、池谷裕二さん、茂木健一郎さんなどの本を、この読書日記でも
たくさんとりあげてきた。
中野信子さんを知ったのは、TVのコメンテーターとして、一時期よく観ていて、
40代の「美魔女」的な雰囲気が印象に残っていた。
著書もたくさん出されていて、「サイコパス」「不倫」「脳内麻薬」「毒親」
「人はなぜ他人を許せないのか」など、ちょっとヤバイ人的な雰囲気を感じていた。
でも、ちょっと気になって、著者の本を初めて手に取った。
読後感は、この人は、高機能自閉スペクトラム症ではないかというのが、第一感。
以前、池谷裕二さんと中村うさぎさんの対談を読んでいたら、お二人とも自分自身が
変だと思っていて、二人そろって、鑑定を受けたら、高機能自閉スペクトラム症で
あることがわかったと、述べていた。↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971601387&owner_id=5540901
人間誰でも、この世の中を生きるのは大変だが、とても優秀だが、より生きにくい
と感じている人たちがいて、東大生の1〜2割は、高機能自閉スペクトラム症では
という指摘もある。
本書の惹句を紹介します。
“【発売1ヵ月で10万部突破! 脳科学者の記憶の闇へ潜っていくようなゾクゾク
する感覚!】”
“人間関係が苦手だった私は、その原因を探ろうと、いつしか「脳」に興味を持つ
ようになった――。”
“親との葛藤、少女時代の孤独、男社会の壁…人間の本質をやさしく見つめ続ける
脳科学者が、激しくつづった思考の遍歴。著者初の自伝!”
“「脳は一貫していることの方がおかしいのだ。自然ではないから、わざわざ一貫
させようとして、外野が口を出したり、内省的に自分を批判したりもするのである。
一貫させるのは、端的に言えば、コミュニティから受けとることのできる恩恵を
最大化するためという目的からにすぎない。”
“私たちは、複数の側面を内包しながら、これらを使い分けて生きている。私たちの
世代はこれを自覚的にできる人が旧世代よりも増えただろうが、人間というのは
世代を問わず、そういうふうにできている。仕様だといってもよいだろう。”
“わたしのペルソナ(他者に対峙するときに現れる自己の外的側面)は、わたしが
そう演じている役である、といったら言い過ぎだと感じられるだろうか? あなたが、
わたしだと思っているものは、わたしではない。一時的に、そういう側面を見て
取ってもらっているだけのことである。”
“わたしは存在しない。これは悲しいことではない。透明な存在であることを嘆く
必要はない。だからこそ、来るべき変化に対応することができるからだ。もう変化
のときは来ている」”
“本書は、一度読めば心を病まずに済む「心のワクチン」である。”
目次と小見出しも全部紹介。
■はじめに わたしは存在しない
無駄を肯定するということ/脳は一貫している方がおかしい
■1章 サイコマジック――2020
脳は毎夜、夢を見ながら再構成されている/愛している、が伝わらない/「毒親」とはどういう存在なのか/アカデミズムは時代遅れの男性原理の象徴
■2章 脳と人間について思うこと――2010〜2019
『ホンマでっか!?TV』の洗礼/攻撃されたときの身のかわし方/ブレることは脳の高次な機能/メンサのこと/結婚するメリット
■3章 さなぎの日々――2000〜2009
世の中を良くしよう、にある胡散臭さ/専門家のアドバイスは脳の活動を停止させる/脳が作り出す微笑みのペルソナ/日本は「科学技術後進国」
■4章 終末思想の誘惑 ――1990〜1999
東大女子は第三の性別?/ネガティブな思考には独特の中毒性がある/バイオアートの可能性/脳研究を志した理由
■5章 砂時計――1975〜1989
他社の間違い探しをする人に発疹が出る/なぜ点数を悪く取れるのだろう/通知表に「利己的」と書かれて
世の中、生きにくいと感じている人の、「ワクチン」になればと思う(^^♪
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