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2020年02月08日19:11

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読書日記Nо.1244(ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー)

■ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」2019年6月新潮社刊

2019年度のノンフィクション部門で、話題となった本を読んだ。

ブレイディみかこさんの本を最初に手に取ったのは、「労働者階級の反乱−地べたから
見た英国EU離脱」2017年10月光文社新書、で、この読書日記でもとりあげた。

その後、内田樹さんの「街場の平成論」で、平田オリザさんや小田嶋隆さんなど
錚々たる9人の論客のひとりとして、登場した。

略歴は以下。

保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。県立修猷館高校卒。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年からロンドン在住。ロンドン
の日系企業で勤務した後、英国で保育士の資格を取得、「最底辺保育所」で
働きながらライター活動を開始。2017年新潮ドキュメント賞を受賞。

本書は、中学生になった実の息子さんの、スクールデイズを描きながら、
イギリス社会のリアルな現実を描いて、読者を一気に引き込む筆力のパワーに
圧倒された。

惹句を紹介しますね。

“大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。
世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至の
等身大ノンフィクション。”

“優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜの イカした
「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。”

“人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。 時には貧富の差で
ギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。 世界の縮図のような日常を、
思春期真っ只中の息子と パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。”

“連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。”

数々の賞も受賞していて、以下。

・本屋大賞2019ノンフィクション本大賞受賞!
・第73回毎日出版文化賞特別賞受賞!
・第2回八重洲本大賞受賞!
・第7回ブクログ大賞 エッセイ・ノンフィクション部門受賞!
・紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス! 2020」第1位!
・We Love Books 中高生におすすめする司書のイチオシ本2019年版第1位!
・第13回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)!

著名人のコメントも紹介。

◎西加奈子さん
隣に座って、肩を叩いて、「一緒に考えない」そう言ってくれました。
絶対に忘れたくない、大切な友達みたいな本です。

◎中川李枝子さん
子どもの感覚に、母ちゃんとともに脱帽。先生方にも、ぜひ読んで欲しい。

◎三浦しをんさん
これは「異国に暮らすひとたちの話」ではなく、「私たち一人一人の話」だ。

◎高橋源一郎さん
思わず考え込む。あるいは、胸をうたれる。そして最後に、自分たちの子どもや
社会について考えざるをえなくなる。

著者は、日本で、最近メキメキと頭角を現した社会派ノンフクションライター
で、文章も内容も、著書の生身の心身の実感で担保されており、読者を一気に
引き込む力強さがあって、凄いです。
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