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2020年01月30日20:52

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読書日記Nо.1241(なぜこの町に人は魅了されるのか)

■橋口敏男「新宿の迷宮を歩く」2019年5月平凡社新書

副題は、“300年の歴史探索”。

私が休日に、新宿の紀伊國屋書店に行って、本を物色していることは、
この日記に何度も書いてきたので、マイミクさんは覚えていらっしゃると
思われる。

私の住まいは、電車にのれば、新宿にも、渋谷にも、吉祥寺にも15分ほど
で行けるのだが、なぜ新宿かといえば、通勤で使う乗換駅が新宿駅で、
休日に行くのにも、通勤定期券が使えるのが大きいのですね。

このように、新宿に深い馴染みを感じているので、書店の店頭で本書を
見つけたら、思わず手が伸びてしまった。

本書は、なじみ深い新宿の街の300年にわたる歴史探索をした本で、著者
は、1955年生まれ(私より一歳年下の同世代)で、学芸員資格を取得
したあと、新宿区役所に就職した方。新宿歴史博物館の館長という、まさに
新宿の歴史を語る第一人者。

いやぁ、面白かったです。
で、惹句を紹介しますね。

“明治時代、新宿駅の誕生当初は、武蔵野の雑木林の中。タヌキ小屋や
茶店のあるのどかな田舎駅だった。”

“やがて京王線や小田急線といった郊外電車の開通や、関東大震災を契機とし、
ターミナルとして発展を遂げ、昭和の初めには日本一乗降客数の多い駅に
なっていく。”

“本書では、新宿の黎明から文化の繁栄、当時の市井のグルメ・デパートや
カフェーなど、新宿の当時の姿を鮮やかに描きだす。”

“新宿駅や駅とともに発展してきた東口や歌舞伎町、西口などの街の史実を
辿るとともに、歩いて歴史の痕跡を探る。 内藤新宿の飯盛女と遊郭などの
江戸時代の新宿の様子に加え、紀伊國屋、中村屋、新宿高野のはじまり、
新宿二丁目が牧場だったという意外な歴史、さらに新宿遊郭に住んでいた夏
目漱石など文豪と歴史のかかわりなどにも触れる。”

“新宿御苑、土木遺産玉川上水の秘められた歴史も訪ね、いまや世界一の
乗降客数の駅となった巨大繁華街新宿の姿を捉えていく。<まち歩きマップ付>”

章立ての抜粋と小見出しの抜粋も紹介。

第1章 新宿駅の誕生
・武蔵野の雑木林の中に生まれる
・繁華街へ―新宿高野・紀伊國屋・中村屋
第2章 新宿に出現したサラリーマンの暮らし
・ハイカラな文化住宅
・新宿デパート物語
第4章 歌舞伎町の謎
・歌舞伎町の名付け親は?
・歌舞伎町はなぜ迷路化した
第5章 集う人びとー女優・芸術家・文化人
・田辺茂一の紀伊國屋
・林以文のムーランルージュ新宿座・地球座・新宿座
第7章 浄水場から高層ビルへ
・パリの手法で西口を改造
・角筈、柏木に住んだ人びと

新宿駅が、日本一の乗降客があるということは知っていたが、世界一とは
恐れ入りました。

因みに、本日記のタイトルは、帯の文言を引用した次第(^^♪
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