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2019年12月10日21:00

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読書日記Nо.1231(宇宙から帰ってきた日本人)

■稲泉連「宇宙から帰ってきた日本人」2019年11月文藝春秋刊

副題は、“日本人宇宙飛行士全12人の証言”。

2019年は、アポロ11号が月面着陸してから50周年だという。

50年前、私は中学3年生で、宇宙飛行士が月面を歩き、アメリカ国旗
を月面に立てる様子を、確かにTVで観た。

科学技術が導く、人類の未来に、疑いもしなかった頃だった。

その後、立花隆さんが、アポロ計画の宇宙飛行士にインタビューをして、
1983年に「宇宙からの帰還」を上梓した時、読者は、宇宙から帰還した
宇宙飛行士の、生々しい証言に、少なからずの衝撃を受けた。

帰還した宇宙飛行士たちの、宇宙から地球を体験は、人生を狂わせる
圧倒的な体験だったようで、正気を保てなくなったもの、宗教に走った
ものなど、立花隆さんの筆が冴えた。

本書の著者は、1979年生まれなので、立花隆さんの著書は、長じて
読んだらしいのだが、その読書体験が、本書を著す起因になったという。

遅ればせながら、本書の惹句を、ちと長いですが、紹介しますね。

“立花隆『宇宙からの帰還』が出版されて30年以上が経つ。同書で紹介
された宇宙飛行士たちの「神秘体験」「宗教的体験」は、当時も今も
大きなインパクトを読者に与えている。”

“同書により、宇宙というのは特別な場所であり、そこに行くことは人知を
超えた体験をもたらすのだというイメージを我々が共有することになった
と言えるだろう。”

“宇宙飛行士の野口聡一氏も高校生の時にこの本に感銘を受けたことが、
宇宙飛行士を目指した動機の一つだと語っている。”

“本書は、歴代の日本人宇宙飛行士全12人に取材を行った史上初の書籍
となる。宇宙に行った彼らがどのようなことを感じ、考えたか。問いかけの
下敷きになっているのは立花隆の前掲書であり、「神秘体験」の有無、
地球がどのように見えたかなど、実存的、哲学的な領域を中心としている。”

“日本人宇宙飛行士も“神”を感じたのか? 彼らが自らの体験を振り返った
ときの違いは、どのような点から生じているのだろうか?”

目次も全部紹介します。
1.この宇宙で最も美しい夜明け――秋山豊寛の見た「危機に瀕する地球」
2.圧倒的な断絶――向井千秋の「重力文化圏」、金井宣茂と古川聡の「新世代」
  宇宙体験
3.地球は生きている――山崎直子と毛利衛が語る全地球という惑星観
4.地球上空400キロメートル――大西卓哉と「90分・地球一周の旅」
5.「国民国家」から「惑星地球」へ――油井亀美也が考える「人類が地球へ行く意味」
6.EVA:船外活動体験――星出彰彦と野口聡一の見た「底のない闇」
7.宇宙・生命・無限――土井隆雄の「有人宇宙学」
エピローグ 宇宙に四度行った男・若田光一かく語りき

私の読書日記のテーマのひとつに、人間とは何だろうかというプリミティブな
好奇心があるが、本書はその好奇心を十全に満たしてくれました(^^♪
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