イプセン「人形の家」の続編。
15年後のノラを描く。
作者は現代作家。
「人形の家」(シス・カンパニー公演だった)は期待ほどには面白くなかった記憶があるが、今回はあくまで役の個人的な気持ちを追っていて、それがメインで最終的に普遍性に繋がる、つまらん一般的フェミニズムに陥いらないところがよかった。
最後にノラが言う。
「私は独りになりたかった」
しかし家族の中でその発言をすると、言われた方はその先にどんなに荒涼とした世界が現れてくるのか、それが分からず不安に陥る。
そう、フェニミズムの限界はここだろう。
主張だけあり、協調性(勿論あるんだろうが)が見えてこない。
そうすると発生してくるであろう男女それぞれの既得権の話に及んでしまうが、この芝居はそこを回避している。
あくまで作中人物の心の叫びに留めているのだ。
そこが素晴らしい傑作。
ソフト化して欲しいがやっぱり無理かな。
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