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日記一覧

照る日曇る日 第1051回1995年9月に不識書房から満を持して刊行された方代の全歌集です。代表作「方代」、「右左口」「こおろぎ」「迦葉」に加えて、彼の初期作品や歌集未掲載作品も多数掲載されていて、愛読者の渇を癒してくれるのですが、後半の「

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邦画3本立て
2018年03月30日15:51

闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1316,1317,13181)若松孝二監督の「エンドレス・ワルツ」稲葉真弓原作の同名の小説の映画化で、鈴木いづみと阿部薫の熱愛と破局を描くが、そこには2人のドラマはなく、2人を演じる町田町蔵と広田玲央名の力演がある

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照る日曇る日 第1050回中国の古典に親しんだことなんかてんでなかったので、名のみ知る「老荘思想」の有名な「老子」ではなく、誰も騒がない「荘子」から読んでみよう。それもいつか名のみ聞きかじったことのある福永光司氏の注釈で、と思っていたら、幸

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照る日曇る日 第1049回&これでも詩かよ第236回著者の8番めの詩集を手にしてまず驚いたのは、表紙と裏表紙の石ころの写真でした。さまざまな形をした雨に濡れた石たちは、まるでとろりとした溶液に包まれた未知の生き物のようで、じっと見つめている

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照る日曇る日 第1048回新しい事務所を作った、その裏には新しい女がいるということで新たな話題をまき散らしている著者による「初の恋愛小説」という触れ込みである。建築のデザイン会社に勤めている主人公が、「クラシック界の幻のヴァイオリニスト!」

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チチンプイプイ 
2018年03月26日08:35

これでも詩かよ 第235回チチンプイプイ チチンポイ大きいチンポ 小さいチンポ 中くらいのチンポあなたのチンポは どれですか?それは あなたの秘密です。世界の誰にも 明かせない。チチンプイプイ チチンポイ大きいチンポ 小さいチンポ 中くらい

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闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1313、1314、1315ロベール・ブレッソン監督の「少女ムシェット」ベルナノスの小説を1967年にブレッソンが映画化。貧困、いじめ、孤独、家庭崩壊、暴行、そして絶望の自死。どこにも救いがない少女の肉体と魂の底の

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亡き母を偲ぶ歌 増補版
2018年03月24日09:12

ある晴れた日に 第501回 天ざかる鄙の里にて侘びし人 八十路を過ぎてひとり逝きたり   日曜は聖なる神をほめ誉えん 母は高音我等は低音 教会の日曜の朝の奏楽の 前奏無みして歌い給えり 陽炎のひかりあまねき洗面台 声を殺さず泣かれし朝あり 千両、

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佐々木 愛子歌集
2018年03月23日08:51

ある晴れた日に 第500回 本日、母、佐々木愛子没後16年につき遺作を再掲させていただきます。 つたなくて うたにならねば みそひともじただつづるのみ おもいのままに   七十年 生きて気づけば 形なき蓄えとして 言葉ありけり     1995

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照る日曇る日 第1047回大好評のだるまさんシリーズの第3作です。「と」という助詞をなかだちにして、いちごさん、ばななさん、めろんさんが次々に登場し、最後にそれらを3位一体ならぬ4位一体化させる編集基軸と、絵とコピーの絶妙な取り合わせが見事

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照る日曇る日 第1046回ともかく「100万回生きたねこ」という題名からして凄い。全体の構成も、文も、絵もよく考え抜かれた素晴らしく感動的な絵本です。 100万回もないたねこは、しずかに うごかなくなりました。 ねこは もう けっして生きか

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照る日曇る日 第1045回世上では本作が芥川賞を受賞したというので、幻冬舎ならぬ「玄冬文学」の誕生だとかいうてはやし立てる莫迦な奴がいるようだが、騙されたと思いつつも勢い込んで読んでみると、ただ最愛の夫を天に奪われた婦人の悲嘆を、紙背にたぷ

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照る日曇る日 第1045回南インドのチェンナイという町で日本語教師として働くヒロインが遭遇した100年に一度のアダイヤール河の大洪水。泥土からは行方不明の人間などが次々に現れ、それらを見物に出かける老若男女の上空には成金だけが所有操縦する最

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(春なので、第19、20、21回を併せて収録しました)★第19回 第6章 悪魔たちの狂宴〜正歴寺の鐘は鳴る やがて、朝ケンちゃんが登った寺山には、虹のような琥珀色の後光が射して、西の空が美しい朱色に染まりました。 その朱色が、わずかに暮れ残

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照る日曇る日 第1044回夫と別れて好きな男と一緒になったものの、肝心の男が彼女に(当たり前のことながら)120%密着してはくれず、他の女に色目を使ったりするので疑心暗鬼に駆られた哀れな女は、とうとう神経衰弱のようになって極度に錯乱し、発作

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蝶人物見遊山記 第277回前半は「弓八幡」、「西王母」、「桜川」の舞囃子、狂言の「膏薬煉」でしたが、いちばん心に残ったのは「桜川」の柏崎真由子選手のシテでした。「桜川」は人買商人に買われていったわが子を、「ものぐるい」になった母親が、桜満開

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照る日曇る日 第1043回福島県相馬の刀鍛冶の後裔が上京して、学生運動に遭遇し、波乱万丈の政治闘争の季節をなんとかかんとか生き抜いた半生の記録で、私としては、これを他人事だと思って笑ったり馬鹿にしながら読めるひとがうらやましい。私は著者に会

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照る日曇る日 第1042回安丸良雄の名著「出口なお」を踏まえつつ、より詳しく丁寧に大本教の開祖と聖師の足跡をたどりながら、その現代的意義を問うた意欲作である。仔細に検討すれば、なおの神と王仁三郎の神はまったく別物であるし、世の立て替え、立て

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蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.290○創立記念式典/取引先のあいさつ安藤社長、このたびは創立10周年の晴れの日をお迎えになりましてまことにおめでとうございます。*1私は日頃から御社にたいへんお世話になっております小柳工務店の

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蝶人物見遊山記 第276回牛込の夏目坂を上りきったところに夏目漱石の旧居がありました。その地が、現在は記念館になっているというので、家族3人で見物にやってきました。むかしは変哲もない小さな公園であの有名な猫を祀った五輪塔くらいしかなかったは

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蝶人物見遊山記 第275回2本とも初めて見る作品でした。前半の「増補忠臣蔵」は本篇の忠臣蔵の番外編ですが、まあ中級の佳作というところですかな。最後の主君桃井若狭之助(中村鴈次郎)と忠義の武士、加古川本蔵(片岡亀蔵)の男涙の別れの場が延々と続

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蝶人物見遊山記 第274回初期から中期、後期、最晩年の油彩からスケッチ帖まで、私の大好きな作家の、じつに見ごたえのある盛沢山な一大ココレクションを堪能しました。私は彼の後期の作品しかあまりみたことがなかったのですが、この展覧会では模索と彷徨

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照る日曇る日 第1041回トルストイ翁が精力的に描きつくす登場人物のたたずまいと生活と思潮は、そのどこのページをとっても、ほとんど余人の筆を以てなすあたわざる域に達しており、たとえばアンナの良人カレーニンが、懊悩の果てに彼女を許す心境を描い

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蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.289○創立記念式典/社長のあいさつ*1ただいまご紹介に預かりました朝風龍一郎であります。*2本日は朝風産業株式会社の創立100周年の式典にご出席を賜りましてまことにありがとうございます。皆さ

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照る日曇る日 第1040回名前の通り古今東西百学の智に満ちたインテレクチャルな詩集である。作者はこの国の文芸が湿潤かつ情緒的であることに辟易して、あえていわゆるひとつの高踏的で詩文を大脳前頭葉で操作しようちしているのだろうが、いくら読んでも

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ある晴れた日に第500回お母さん、運命ってなに?結局こうなってしまう、ということよ。お母さん、ちっとも、ってなに?全然、ていうことよ。お母さん前夜祭って亡くなったときでしょう。そうよ。キリスト教よ。お母さん、耳を澄ませば?なにか聞こえるでし

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西暦2017年葉月蝶人酔生夢死幾百夜 おない年の古い友人、井出隆夫死去の知らせを受けた私は、いたずらに長生きしても仕方がないと、全財産を投じて、かねて買いたいと思っていた格安CDセットを、アマゾンで衝動買いした。8/1私が喉を腫らして往生してい

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これでも詩かよ 第233回&照る日曇る日 第1039回 題字をみると、「寄」りかからずじゃなくて、「倚」りかからず、なんだなあ。でもお客さん、「倚」りかからずなんて、辞書でもパソコンでも出てこないぜ。しゃあけんど「倚りかからず」のほうが、「

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蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.288エッ、貴乃花って喋ったり笑ったりできるんだ。完全に二重人格人間だな。2/1どこがスーパーブルーブラッドムーンなんだか知らんけど、皆既月食になってもその赤が消えないスーパーブルーブラッドムー

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ある晴れた日に 第499回なにゆえに青くもないのにブルーム−ン血の如く赤きスーパーブルーブラッドムーンなにゆえに保守思想家は死んぢまった己の死くらいは仕切りたいからなにゆえにまたしても頭を激打すコウ君どこが嫌だったのなにゆえに奥村晃作氏は分

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