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2021年07月30日08:59

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安西水丸著・嵐山光三郎選「左上の海」を読んで



照る日曇る日第1611回

「NY帰りの安西水丸はひょろりとして伏し目がちで髪の毛を真ん中で分け、その背後に青い炎がちろりちろりと燃え上っていた。このジンブツは物語をしょっていると直感した。剣豪になったマチスが、崩れゆく時代に、絵筆一本持って屹立しているようだった。「ヨーシ、こいつと組もう」」

と思ったのが名編集者の嵐山選手。
その嵐山選手が選んだ12の恋愛秘恋哀恋短編小説が、この文庫本。ガロの漫画「青の時代」と好一対のナイスなセレクションです。

「レモンを描く」、「ひと冬」、「義仲という自転車」「とうもろこし畑」「アマリリス」もいいが、もっとも心に残ったのは赤坂見附の清政橋辺りを舞台にした「ボートハウスの夏」だった。

   夏来ればジャカランタの花咲き誇る内藤医院取り壊されたり 蝶人



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