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2020年03月27日15:33

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聖書協会共同訳2018年版で旧約聖書「コヘレトの言葉」を読んで



照る日曇る日 第1376回

コヘレトはダビデの子でこの世の富と権力を一身に握って物理的には不可能のない世界を生きたエルサレムの王であったが、その人物が

「空の空
空の空
一切は空である。」

と断言する。

「すべてのことが人を疲れさせる。
語りつくすことはできず
目は見ても飽き足らず
耳は聞いても満たされない。
すでにあったことはこれからもあり
すでに行われたことはこれからも行われる。
太陽の下、新しいことは何ひとつない。」

なんてまるでマラルメを読んでいるような気がする。

非常に思索的な人物でいささかニヒルではあるが、コヘレトは殆ど我々現代人の隣に立っている哲学者の友人のようである。

その友達から「太陽の下では食べ、飲み、楽しむことより他に人に幸せはない」
などと言われたら、うんと頷いて、ぎぎゅゆと抱き締めるしかないではないか。

  石川の啄木この世に生きて在りとせばいかなる歌を詠み給うらむ 蝶人

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