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2020年01月26日09:40

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岡野玲子著「陰陽師13 太陽」を読んで



照る日曇る日 第1345回

占い師が密閉された箱の中身を透視して言い当てる「射覆」という技術は、当然ながらかのギボさんもエバラヤキニクノタレなんかにも出来なかった至難の業だろう。

本巻ではこの難題に難渋する主人公安倍晴明の生命の危機を、都の建造設計ミスや安寧秩序の回復や、なぜか古代エジプトの占星術との相関関係を引き合いに出しながら、例によって高踏的かつ神智学理論を駆使した超絶的美的表現の世界が、燦然と繰り広げられて無知で愚かな我々読者を圧倒する。

さいわいにして我らがヒーローは我らがヒロイン真葛チャンの助けを借りて九死に一生を拾い、時空を超えた平安を獲得し、その後も藤原氏の擁護のもとで寛弘2(1005)年京の都に85歳で没するまでしぶとく生き続けたのである。

   ひれかつを断固退けロースかつをさっさと選ぶ息子四十六 蝶人


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