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2020年01月17日09:37

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マリーズ・コンデ著・菅啓次郎訳「生命の樹」を読んで


照る日曇る日 第1342回

一度ジャマイカに行ったことがあるが、その強烈な光と影、物凄い貧富の差に驚き、世界にはこういう場所もあるのだといたく身にしみ、ほうほうのていで逃げ帰った。

2018年のニュー・アカデミー賞を受賞した著者による本書は、そんな激烈な場所のひとつで生を享けて命をつむいだ著者による「あるカリブの家系の物語」であるが、それこそ生命力に満ち溢れた、生まれも育ちも貧富も思想もイデオロギーも相反する老若男女の人物が次々に登場し、さながら異界曼荼羅図の中の群像のように、生き生きては死に死に、新旧世界を股にかけておどろおどろしく点滅するのに驚かされる。

「あるカリブの家系」とは言いながら、その壮大な景観と様相は、石器時代から現代までを貫く全人類史の原像と系譜と称してもよろしいのではないでしょうか。「生命の樹」とはようも名づけたもんだ。

   阿呆莫迦が選んだ阿呆莫迦議員共が次々しでかす阿呆莫迦の莫迦 蝶人


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