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2019年02月17日11:13

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早春邦画劇場11本立てずら 

闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1952〜1962

1)塚本晋也監督・主演の「野火」
市川昆と違って強烈な色彩と美しい自然、戦死、戦傷の悲惨さの激情的な演出が際立つ。特に人肉喰いを描くシーンの凄まじさが凄い。

2)鈴木清順監督の「夢二」
いちおう竹久夢二の人と作品をモチーフにしているが、そんなことは「陽炎座」と同様どうでもよろしいのであって、全編鈴木清順独自の映像美を追求するのである。

3)鈴木清順監督の「陽炎座」
大楠道代、楠田枝里子が色っぽく、松田優作がかっこいい。あらすじはあってないようなもので、それよりも、この世ならぬ美しさに輝く戦慄的なシーンを銀幕上に現出させようとする監督の執念に打たれる。

4)河瀬直美監督の「2つ目の窓」
ラストでまるで人魚のように海を踊る若き男女の裸体がまぶしいほどに美しい。河瀬監督はいい女優を見つけてくるものだ。

5)河瀬直美監督の「光」
ついに盲目となってしまう写真家にいかなる未来が待ち受けているのか?光とは愛の別名であろう。父の遺品のローライフレックスで私も妻の写真を撮りたくなった。

6)野村芳太郎監督の「わるいやつら」
松本清張の原作だから「悪い映画」にはならないが、松坂慶子まで悪いやつだとは思わなかったなあ。彼女はいちおうデザイナーの役なので、ショーの場面では森英恵が特別出演してる。

7)山田洋次監督の「おとうと」
市川昆の同名作に捧げた山田洋次版であるが、同じ幸田文の原作とはいえ、川口浩、田中絹代、岸恵子に対する笑福亭鶴瓶、吉永小百合では、はなから勝負にならず。もっとも全然違う話に仕上がっているけれど。小林稔次がいい味を出している。

8)山田洋次監督の「東京家族」
小津の名作に捧げた山田洋次の力作。原節子に擬されたのは蒼井優で恋人役の妻夫木聡の2人が未来への懸け橋となっている。妻夫木聡は歌舞伎の舞台美術をやっている設定だが、実は私も憧れていた。マガジンハウスに行った帰りに歌舞伎座の裏口で彼らをみて「ああいいなあ」と思った春うららの午後があったのだがあ。

9)降旗康男監督の「冬の華」
むかしこの映画をみたとき、確かシャガールのことを知らないヤクザ(小池朝雄)が、「シャーガル、シャーガル」というておったシーンを楽しみに待っていたが、いつまでたっても出てこなかった。どうしてだろう。

10)「電車男」をみて
自分の恋愛をネットで公開し、あまつさえ第3者の応援?を受けるという人間の存在に眼を疑う。それにしてもこの2人、今頃どうなっているんだろう?

11)加藤泰監督の「炎のごとく」
古臭い映画を見ているのか、活劇漫画を眺めているのか、それとも型破りで斬新な映画を見ているのか、劇伴は酷いが、いずれにしても大胆不敵な作品ではある。
主役の菅原文太が熱演。チョイ役の松平容保に小倉一郎を選ぶとはさすが加藤泰なり。

  和歌というも短歌というも同じこと民草は今もなお大王を讃える 蝶人



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