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2017年12月06日09:44

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高木正幸著「新左翼三十年史」を読んで



照る日曇る日第1011回

小嵐九八郎の「新左翼死人列伝」を読んで本書のことを知り、内ゲバのことが気になってページをめくる。

内ゲバによる最初の死者は1970年の、中核派が革マル派活動家を殺害した海老原事件であるが、それ以降のあらゆる党派を含めた内ゲバの犠牲者は、本書が刊行された1988年8月の時点で83名である。

その内訳は中核派の革マル派活動家殺害が45名、解放派の革マル派活動家殺害が22名、革マル派の中核派、解放派活動家殺害が15名、その他マル青同の同士リンチ殺人1名となっている(連合赤軍メンバー12名のリンチ殺人などは除く)。

本書は今からざっと30年前に書かれた本だから、その後死者の数はもっと増加し、いまもなお時々新聞の雑報で報じられたりしてすたることがない。

むかしは政治思想の異なる党派が殺し合っていたが、比較的最近では、同一党派内の対立勢力同士で殺害を繰り返していると知って、言葉を失った。

ひとはいつでも見解を異にする他人を、いくぶんかは憎むものだ。そしてその憎しみが嵩じて増殖していくと、いつの間にか他者は不倶戴天の敵として対象化されて、その死を願ったり、みずから手を下したりしてしまう。

いったん敵を殺せば、敵は報復と称して味方を殺し、その報復のために殺戮が続き、この連鎖はよほどの契機が出現しない限り未来永劫にわたって途切れないことに理屈の上ではなってしまう。

ひとはひとをあやめてはいけません。されどいったいいつまでこういう不毛な殺戮地獄が続くのだろう?

今も昔もイデオロギーの対立は、お互いの存在を抹殺しないかぎり、解消されないのだろうか?

みんな違ってみんないい。かつて金子みすゞが夢見た世界は、ついにこの地上では訪れないのであろうか。

   12345678910 1時間おきに小便するわれ 蝶人


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