○はじめに
創価学会は、僭聖増上慢の日顕から破門されるまでは、学会規則に「日蓮正宗の教義に基づき」と規定していました。
この日蓮正宗の教義とは、宗教法人法に基づく日蓮正宗の宗規において「正依（しょうえ）」として定める
「�� 法華経並びに開結、��大聖人遺文（御書）、�Ｆ�興・日有・日寛上人遺文」
であり、人材不足のために崩壊していた大石寺の教義を、江戸時代の中頃に日寛上人が懸命に体系化したのが、戒壇の大御本尊を根本とした宗教観でした。
学会員は、戸田先生・池田先生の大確信の指導のままに、この教えを純粋に信じて、御遺命とされていた「本門事の戒壇堂」である正本堂を建立し、人類で初めて法華経を一閻浮提に広宣流布し、遂に大聖人の未来記である「仏法西還」を実現しつつあります。
ところが学会は、僭聖増上慢となった日顕から破門されたおかげで、歴代法主の言葉を根本とするのではなく、学会規則を「日蓮大聖人の教えに基づき」と改正し、その結果、日蓮正宗の教義のうち、��の中に含まれる＜�△慮羹颪貿悗�教え＞をえぐり出し、純粋な大聖人直結の教団として蘇生するという歴史的な段階に突入したのです。
本資料は、純粋に日蓮大聖人の教えに基づいて、これまで学会の中に紛れ込んでいた、大聖人の教えとは異なる先入観や偏見の泥を洗い流し、正しく大聖人に直結する創価学会仏として、一閻浮提広宣流布の時代を開く指針を体得するための研鑽を目的としています。
併せて、オレオレ詐欺・振り込め詐欺坊主まがいの邪義となった日蓮正宗の嘘を暴き、また、俗衆増上慢である顕正会を破折するためにもご活用していただければ幸甚です。
１．戒壇の大御本尊に関する先入観を改める
日寛上人が体系化した日蓮正宗の教義では、戒壇の大御本尊が根本であることから、純真に信じた学会員にとってはこれに対する見解を修正することは精神的な苦痛を感じる作業かも知れません。
しかし、五重の相対で言えば外道や小乗教に該当するような、外的なものを根本にしたり、自分自身の安心だけを考えて、世界広布のために必要なあらゆる労作業を放棄することは、大聖人に連なる信仰者としては失格です。
大聖人の教えのみを根本に、丁寧に歴史上の事実と証拠に基づいて、これまで日蓮正宗から教え込まれた戒壇の大御本尊（以下「板本尊」と呼びます。）に関する価値体系を再検証しましょう。
（１）日興上人が身延を離山し、富士に移る際の宝物の中に板本尊の記録は無い
堀上人は「富士日興上人詳伝」で、従来の説に疑義を提示しています。日興上人が身延から富士に移る際の記録をもとに、
「御荷物の中に「生御影」「御骨」はかならず御奉持であるべきであるが、板本尊にいたっては研究の余地が存ずる。」（富士日興上人詳伝 P.212）
「すでに原殿抄の末文にあるごとく、延山の常住物はなに一つ持ち出していない。」（富士日興上人詳伝 P.212）
と、日興上人が身延から富士に移る際に持ち出した荷物の中には板本尊は無かった、ということを認識し、板本尊が身延の寺の常住本尊だったという謬説（びゅうせつ：ウソの伝説）の可能性を指摘しています。
この見解を契機として、有志により歴史的証拠に基づく研究を進めた結果、戒壇の大御本尊に関するこれまでの認識は改める必要があります。その際に原則とするのは、大聖人が示された証拠主義です。
「若し証拠なくんば誰人か信ずべきや、かかる僻事をのみ構へ申す間・邪教とは申すなり」（御書全集P.1355）
（通解：もし証拠が無ければ誰が信じることが出来ようか。このような歪曲したことばかりをデッチ上げて言うから、そういう輩を邪教と呼ぶのである。）
この大聖人の証拠主義こそ、世界広布を進める際に無神論の科学者たちさえも納得させる、全人類に普遍的な価値観の基本ということが出来ます。
（２）御書で大聖人が「出世の本懐」を示されているのは文永９年が最初
�（険複糠�の阿仏房御書
大聖人は、文永９年３月１３日に、佐渡の阿仏房に対して書かれたお手紙で、
「あまりに・ありがたく候へば宝塔をかきあらはし・まいらせ候ぞ、子にあらずんば・ゆづる事なかれ信心強盛の者に非ずんば見する事なかれ、出世の本懐と申すはこれなり」（P.1304）
と、明らかに「観心の本尊」を出世の本懐であると宣言されています。
��御義口伝（弘安元年正月１日 執筆日興）
また、建治年間の講義記録である御義口伝には、
「我等の頭は妙なり喉は法なり胸は蓮なり胎（はら）は華なり足は経なり此の五尺の身妙法蓮華経の五字なり（乃至）此の大事を説かんが為に仏は出世したもう我等が一身の妙法五字なりと開仏知見する時・即身成仏するなり」（P.716）
（通解：我々の頭は妙である、喉は法である、胸は蓮である、腹は華である、足は経である、この五尺の身が妙法蓮華経の五字なのである。この大事を説くために仏は出世されたのである。我々のこの身が妙法五字であると仏の知見を開いた時に即身成仏するのである。）
と我が身が妙法蓮華経の五字であり、そのことを悟った時に即身成仏すると示された後に、
「此の円融の三諦は何物ぞ、所謂南無妙法蓮華経是なり、此の五字日蓮出世の本懐なり」（P.717）
と、この妙法蓮華経の五字という宇宙根源の法とそれを体得する（成仏する）ための教義と実践論の体系を出世の本懐であると示されています。
�９旭贈嫁�１０月聖人御難事
これまでの日蓮正宗の教義ではこの文を根拠に、板本尊の腰書きに弘安２年１０月と書かれていることで、板本尊が出世の本懐であると主張していました。
「仏は四十余年・天台大師は三十余年・伝教大師は二十余年に出世の本懐を遂げ給う、其中の大難申す計りなし先先に申すがごとし、余は二十七年なり其の間の大難は各各かつしろしめせり」（P.1189）
しかしこの御書は、これに続く「而るに日蓮二十七年が間・弘長元年五月十二日には伊豆の国へ流罪」以降の文まで読めば、末法の法華経の行者の受難と、弾圧した者への仏罰としての大田親昌、長崎次郎兵衛時綱、大進房、三位房の落馬による死亡等の現証と、弟子日興上人の戦いによって、大聖人がお会いしたこともない熱原の農民信徒が受難を耐えて法華経の行者の信心を貫いたことを前提とした「妙法の令法久住」という「末法万年の一切衆生救済の確立」を示されたものとなっています。
つまり、� ↓△納┐気譴申仞い遼棆�と合わせて言えば、仏の誓願である「一切衆生の救済」のための妙法五字の流布と令法久住の道が確立したことを出世の本懐と表現されているのです。
（３）歴史的な史料に基づいた板本尊の存在に関する検証
大石寺に板本尊が大聖人御在世から存在していたのであれば、当然のことながらその存在は歴史上に記録として残るのが当然です。ところが、（１）の日興上人の身延離山の際の記録にも無いばかりか、大聖人の滅後２００年近く経ってからの史料にしか存在しないことが判明したのです。そして、大石寺の坊主による宗旨の根本に関する資料改ざんの証拠も堀上人が次々に明らかにしているのです。
（�顱貌�目上人等の残した「日興上人御遺跡事」の中で、本門寺本堂に安置するものの記載は「日蓮聖人御影並びに御下文」しかない
日興上人の入滅（１３３３年２月２日）の直後、正慶２年（１３３３年）２月１３日に日目、日仙、日善の本六の３師が花押入りの連名で書き残した「日興上人御遺跡事」に、「本門寺建立の時に本堂に納め奉るべき」ものとして記録されているのは、
「日蓮聖人御影並御下文」（大聖人のお人形と、園城寺申状のこと）（歴代法主全書1-213）
の二つだけなのです。この時点では、広布の時の本門寺本堂に安置するべき板本尊は存在しなかったと考えざるを得ません。なぜならば、この文書の内容は、上記の２つの日興上人の遺跡を象徴する宝物について、
「本門寺建立の時は本堂に納め奉るべし。この條、日興上人の仰せにより支配奉ることかくの如し。この旨に背き、異議をなし、失いたらん輩は、永く大謗法と為すべし。」（歴代法主全書1-213）
と、日興上人が残された最も大事なものについての取り扱いを定めているのです。もしも大聖人の出世の本懐としての板本尊がその時点で存在していたら、責任や意義を明確にした記録を残さないはずがありません。これはこの時点で板本尊が存在しなかったという証拠の一つです。
これに対して、臆面もなく「悪世なので、板本尊を守るために書かなかっただけだ」などというお馬鹿な法華講員がいたら、
・大事なものを記録していなかったという証拠を示しなさい！
・大聖人滅後３００年ほども経って、１４世日主が初めて「本門戒壇御本尊」と書いてから、急に内外に誤謬伝説が流布されているではないか。特に１７世日精の「家中抄」での誤謬・ねつ造を堀上人が「富士日興上人詳伝」（P.217〜）で厳しく破折されているのも知らないか！
（なお、この１４世日主とは、稚児法主の一人で、他山から流入して来て晩年はどこへともなく消えていった左京日教の私的な書をやたらに書き写して自分の花押を書き残したために、後の法主たちに相伝書だと勘違いさせたことを堀上人が「富士宗学要集2-355」で指摘している愚か者の稚児法主の一人です。）
・もしも大事なものとして伝えられていたら、絶対にこのような惨めったらしい歴史が残るはずがないだろう
と責めましょう。
（�髻卜鮖望綵蕕瓩独痛楝困竜�録が残るのは、大聖人滅後２００年弱の重須（北山本門寺）６代日浄（１４９４年頃寂）の「日浄記」
「板本尊」（戒壇の大御本尊の一般的名称）という教義上特別に重要なはずの存在が、歴史上最初の記録として文献に現れるのは、大石寺から２、３ｋｍというすぐ近くにある重須（北山本門寺。日興上人が１２９８年に御影堂を創建して在住した寺）の第６代日浄が書き残した「日浄記」で、これを富谷日震という京都・要法寺（江戸時代に大石寺が８代にわたって法主をスカウトした富士門流の一派、旧本門宗。明治時代には大石寺はこの本門宗や北山、西山の両本門寺、小泉久遠寺等と連合して、「興門派」と称する一つの宗教法人でした）の学僧が「本宗史考」という歴史書の中で示しています。
その内容たるや、
「日有此頃未聞未見ノ板本尊ヲ彫刻シ猶ホ己義荘厳ノ偽書ヲ作リ併テ邪智謗法ノ現罰を蒙リ癩病人ト為テ杉山ニ隠入云々」
（通解：大石寺９世の日有は、最近聞いたことも見たこともない板本尊を彫刻し、さらに己義を荘厳した偽の書物を作り、そのために邪智謗法の現罰を受けて、らい病を患って、山梨の杉山に隠居した。）
という悲惨なものです。つまり、日顕が河辺メモで暴露した「有師の頃の筆だ」というのはまんざら外れではなく、その当時の大石寺のすぐ近くにある寺の坊主が板本尊彫刻の事実を暴露しているのです。
日有が法主に入院したのは大聖人が亡くなられて（１２８２年）から１３７年、杉山に移住したのが聖滅後１８５年ですので、その間の時期に日有は板本尊を（後で証明しますが、日禅授与本尊を真似て）模刻した、ということになるのです。
大聖人の御書に基づけば、これも立派な「観心の本尊」になるので、それ自体が特に問題があるとは言いませんが、御承知のように日顕は板本尊を「偽物」呼ばわりしています。
（�鵝砲修亮，竜�録は、聖滅後２８０年も経った１５６１年の保田妙本寺日我の文書
学問的な観点で最初に板本尊の記録を残したのも大石寺派ではなく、４世日道と決別した日郷が開いた寺である千葉県の保田妙本寺出身の、日我という学僧が書き残した「観心本尊抄抜書」です。
「書写の本尊に現文あり、造立の仏に現証あり。久遠寺の板本尊今大石寺に在り大聖御存日の時の造立なり、池上の削りかけの御影、御入滅あるべきその九十月に造らせられるなり、一体の釈迦の事は御遺言にも墓所の傍に立て置くべく候」（富士宗学要集4−171）
しかもこの文が書かれた時期（１５６１年）は、聖滅後２８０年もの時間が流れているのです。現代との時間の隔たりで言えば、江戸時代の中頃ぐらいです。
大聖人の出世の本懐というものがもしも最初から存在していたら、３００年近くも歴史の表面に記録が残らないはずがありません。大聖人滅後１００数十年後に９世日有がそっと模刻して、隣の寺から叩かれたので、しばらくじっと保管していた、というのが全ての証拠から考え得る唯一の現実です。証拠もなくオレオレ詐欺坊主の言い分を主張する日顕宗の輩に対しては、「文句があるなら、わずか数ｍｇの板本尊のサンプルを出せ！加速器質量分析法（AMS法）で彫刻年代を特定せよ！」と責めましょう！
（�堯紡臉仍�の文献で最初の記録が残るのは、聖滅後約３００年（１５７３年以降）の日主の文書
歴史上初めて板本尊に関する記録が退席痔派の文献に現れたのは、大聖人滅後３００年近くも経った、１５８０年頃（江戸時代前半）に書かれた１４世日主の「日興跡條々事示書」が最初です。
そして、それ以降は特に１７世日精が膨大な誤謬伝説を残したのです。それらを堀上人が破折したのが富士宗学要集であり、富士日興上人詳伝なのです。とにかく、３００年にわたってその存在すら誰も記録に残さないような重大な「宗祖の出世の本懐」が存在するなどということなどあり得ません。全ての証拠がそのことを証明しています。
（��）改竄された「日興跡條々事」ではなく、その草本が公開された
今まで宗門が唯一の板本尊の証拠としていた現存する「日興跡條々事」には明らかな改竄が見受けられます。そのことについては、堀上人が編集に全面協力して１９２５年（大正１４年）に完成した「日蓮宗宗学全書全18巻」（日蓮宗宗学全書刊行会編）の第２巻に、大石寺所蔵の「日興跡条条事」を収録されています。この中で「日興跡条条事」の第二条に関して編纂者の堀上人自らが、
「凡そ四字は後人故意に之を欠損して授與之の下に相傳之可奉懸本門寺の九字を加うる」
と注記しているのです。こんな後世の改竄文書を根拠にした主張を詐欺・ペテンと呼ぶのではないでしょうか。
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