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2020年07月24日18:29

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「ぶあいそうな手紙」

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ブラジル南部の街ポルトアレグレに暮らす78歳のエルネスト。
隣国ウルグアイからやって来て半世紀近く、老境を迎えて視力を殆ど失っている。
息子が一緒に住もうと言うが耳を貸さず、一人暮らしに固執する。
ある日、故郷の古い友人から手紙が届くが、彼には読むこともできない。
ひょんなことから知り合った23歳の娘ビアに、手紙の代読と代筆を頼むことになります。

このビアという娘、溌溂とした明るい娘ではあるが、手癖が悪い。
平気でウソをつくし、たちの悪い暴力男と繋がっているようでもある。
そんな娘を信用していいのか、合鍵を渡していいのかと、ヒヤヒヤしながら観ていくと…

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本、レコード、手紙、蘊蓄が好きな頑固老人のエルネスト。
奇抜なピアスをつけ、ベリー・ショートのヘア、刺青だらけの娘ビア。
本来ならおよそ交わる筈もない二人は、実は孤独という共通点を抱えていた。
正体不明の娘ビアが、凝り固まってしまった老人の心をほぐしていく様は、見ていて楽しいものです。
エルネストがビアに教えて貰って、彼女のスマホで長年会っていない孫への動画を撮る。
天気の挨拶から始めようとした彼に、そんなつまらないことを言うな、本当に自分が言いたい事だけを言えとビアは教えます。
そうして撮った動画メッセージの中で孫に勧めた「宝島・黄金虫・ロビンソン漂流記」は、私も大好きだった児童文学です。

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結末については、私は多少の疑問も持ちます。
自分のスタイルを何十年と貫いてきた老人が、いきなり他人と暮らして上手くいくものか?
それでも、老いるということはあきらめることばかりではない、幾つであっても新しいことを始めることはできるのだということを教えてくれる作品でした。
原題は「Aos Olhos de Ernest」(英語題Through Ernesto's Eyes)。


公式HP http://www.moviola.jp/buaiso/

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