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2020年03月30日14:03

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真実は「関係なし」なのか 作家・ジャーナリスト・門田隆将

 下記は、2020.3.29 付の【新聞に喝!】です。

                記

 新聞は真実を報じないという“事実”を当欄では具体的事例を挙げてくり返し書いてきた。残念ながら今回も指摘しなければならない。

 1つは、森雅子法相の謝罪事件だ。森法相が国会で「震災の時に検察官は福島県いわき市から市民が避難していない中で最初に逃げた」「その際、身柄拘束している十数人を理由なく釈放した」と答弁したことから紛糾。立憲民主党の安住淳国対委員長が「事実無根。謝罪がなければ審議を拒否する」とごね、森法相は発言を撤回・謝罪に追い込まれた。

 では、事実はどうだったのか。端的にいえば森法相の発言が正しい。東日本大震災に伴う福島第一原発事故の際、原子炉がメルトダウンし、格納容器爆発による放射能汚染の危機が迫った平成23年3月16日、福島地検いわき支部は勾留中の強制猥褻(わいせつ)犯を含む容疑者12人を処分保留で釈放して閉庁し、郡山に移った。

 だが、釈放された容疑者が再犯したことで、いわき市民が激怒。森氏はいわき出身の弁護士でもあり、市民の気持ちを代弁し、国会で当時の民主党政権を責め立てた。江田五月法相は同年5月に福島地検検事正を更迭した。

 だが今回、新聞では産経だけが12日付の記事の中で簡単に事実関係を紹介しただけで他紙は無視した。つまり、新聞は「事実」は報じなくてもいいのである。

 2つめは、自殺した近畿財務局職員の妻が当時の財務省佐川宣寿(のぶひさ)局長と国を提訴し、夫の手記を週刊文春に発表したことに関するものだ。

 朝日と毎日は20日付社説で〈真実を知りたい。この切実な声に応えずして、首相への信頼回復はない〉(朝日)〈佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度(そんたく)したのか〉(毎日)と書いた。だが、ここでも「事実」には触れられない。

 佐川氏が自ら犯した答弁ミスを糊塗(こと)しようとしたことや、当の改竄(かいざん)前の財務省文書には鴻池祥肇(よしただ)氏、平沼赳夫氏、鳩山邦夫氏といった政治家から財務省への働きかけの有様(ありさま)がしっかり記述されており、財務省では「鴻池案件」と呼ばれていたことなど、肝心なことには一切触れず、あたかも「安倍首相の関与」があるかのように“印象操作”するのである。

 ここでも新聞は事実とは「関係がない」のだ。自分たちの使命は「印象操作である」と考えているとしか思えない。自らの存在意義を捨てた新聞はいつまで生き残ることができるのか。

                ◇

【プロフィル】門田隆将(かどた・りゅうしょう) 作家・ジャーナリスト。昭和33年高知県出身。中央大法卒。新刊は『新聞という病』。

 https://www.sankei.com/column/news/200329/clm2003290004-n1.html
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