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2019年10月16日10:52

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二子玉川地区の河川氾濫は人災か? 堤防建設問題の真相を国交省に直撃《台風19号水害》

 下記は、2019.10.16 付の 文春オンライン の記事です。

                        記

 台風19号の猛威により、10月12日午後10時過ぎ、多摩川が氾濫を起こし、溢れた川の水で世田谷区玉川周辺の住宅地が冠水。被害にあった住民は肩を落とす。

「10年ぐらい前から堤防の工事が川下からスタートしていたのですが、ある日を境にピタリと工事が止まり、何年も土嚢が詰まれたままで放置されていました。あと100メートル堤防が伸びていれば、公園入り口もカバーできたのに」

テレビでも取り上げられた「二子玉川の新堤防論争」

 東急線二子玉川駅に隣接する橋を区切りに下流側の堤防は整備されているが、上流側は土嚢を重ねたのみの仮堤防だ。今回の氾濫箇所とされている玉川3丁目「兵庫島公園」の入り口付近の対策は脆弱で台風前日に世田谷区が集めた土嚢が数段詰まれたのみの状態だった。工事はなぜ止まったのか。

 この問題は、2009年8月に放送された情報番組「噂の東京マガジン」(TBS系)の人気コーナー「噂の現場」でも取り上げられた。当時の新聞ラテ欄には「集中豪雨・堤防建設で住民が反目」と書かれている。今回ネットで拡散されたブログには当時の番組内容がこう記されていた。

《二子玉川の新堤防で論争 2009/08/23放送

 東京・世田谷区の東急・二子玉川駅近くの南地区(約500世帯)で、国土交通省が建設を始めた新堤防をめぐって、住民同士が論争を繰り広げていることを放送。「住宅の中からの、すばらしいながめが高い堤防にさえぎられ、周辺の自然もなくなる。100年に一度の洪水に備えられるという説明納得できない」という建設反対派と、「水害から人命・財産を守るのには欠かせない」という賛成派の、それぞれの意見を紹介しました。》

反対は裁判所に却下され「下流側」堤防は完成した

 いまネット掲示板では「多摩川氾濫は天災ではなく人災だった」という書き込みが続出している。堤防建設反対派住民への非難の声があがっている。「週刊文春デジタル」では”反対派”とされている「二子玉川の環境と安全を考える会」にも話を聞いた。同会の代表を務めていた男性は昨年他界し、副代表の男性が取材に応じた。

 「我々は堤防が要らないと主張していたわけではないんです。堤防ができる前、川沿いの土手には桜が咲き誇り、松林も生い茂っていたので、もちろんこの綺麗な景観を守りたいという気持ちがありました。そうした木々を避けて堤防を建設するといった国交省の柔軟な対応を求めていただけなんです。我々が一番に主張していたのは、中洲の樹木の伐採でした。例えるなら血管の中にコレステロールが溜まってしまっているような状態で、自然と水位は上がってしまいます。そうした点を含めて、国交省に対して安全と環境のバランスを保った堤防を作ってほしいと頼んでいました」(副代表の男性)

 同会は国交省と話し合いを重ねたが、計画は進んでいったという。やむなく2010年1月29日、同会は堤防建設差し止めを東京地裁に申し立てた。当時の新聞でもこんな見出しで報道されている。

《仮処分申請:多摩川の堤防工事、住民が差し止め求め――世田谷》毎日新聞2010年2月4日付

《堤防建設差し止め 住民ら仮処分申請》読売新聞2010年2月3日付

 「結局、申し立ては棄却されてしまい、下流側の堤防は予定通り2010年におおむね出来上がりました。今回の冠水の原因となった上流側の氾濫箇所は、我々の運動が問題としている区間とは違う。我々は上流側の堤防には関与していないのです」(副代表の男性)

「反対運動がなければ堤防は完成」はデマだった

 つまり、そもそも反対派が運動で争っていた橋を挟んで「下流側」の堤防は、裁判を経て、すでに完成しているのだ。「反対運動がなければ堤防は完成していた」というのはデマだったことになる。

 今回氾濫したポイントは「上流側」。たしかにここには堤防がない。なぜか。多摩川の堤防を管轄している国土交通省京浜河川事務所に聞いた。

 「そもそも橋(二子橋)を境にして、下流と上流を分けて考えています。下流側は工事が終わっていて、上流側は新たに堤防を造ろうと今もワーキング(世田谷区と区民との話し合い)というかたちで進めているところでした」

――進めているといっても、下流側の工事が終わって何年も経っている。なぜ工事に取り掛からないのですか。

 「本来は堤防を早く整備しないといけないのですけど、いろいろ調整がありまして」

 「上流側はそもそもこれからの予定でした」

――「調整」とは反対運動をした住民との話し合い?

 「別に反対運動とはとらえていませんし、いろんな方からご意見、要望を聞いています。その影響で(着工に)動かなかったわけではなく、上流側はそもそもこれからの予定でした」

――調整が何年もかかったということですか。住民の反対の声があったから?

「そういうわけではありません。何もしていなかったわけではなくて」

――2010年におこなわれた「二子玉川の環境と安全を考える会」との裁判は関係ない?

 「差し止め請求は翌年には棄却されていますので、それで工事が始まり、下流側の工事を終えました。それから上流側の調整をしていたところなんです。平成30(2018)年くらいからワーキングというかたちでやっていますので」

 ここに国土交通省京浜河川事務所が作成したワーキングの資料がある。その中では二子玉川地区における「洪水時の越水氾濫イメージ」が図説されているのだが、今回の氾濫箇所は、まさに資料で「越水」のポイントと指摘されている場所だった。

 資料の日付けは今年6月30日。何らかの対応は可能だったのではないか。

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

 http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e4%ba%8c%e5%ad%90%e7%8e%89%e5%b7%9d%e5%9c%b0%e5%8c%ba%e3%81%ae%e6%b2%b3%e5%b7%9d%e6%b0%be%e6%bf%ab%e3%81%af%e4%ba%ba%e7%81%bd%e3%81%8b%ef%bc%9f-%e5%a0%a4%e9%98%b2%e5%bb%ba%e8%a8%ad%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%81%ae%e7%9c%9f%e7%9b%b8%e3%82%92%e5%9b%bd%e4%ba%a4%e7%9c%81%e3%81%ab%e7%9b%b4%e6%92%83%e3%80%8a%e5%8f%b0%e9%a2%a819%e5%8f%b7%e6%b0%b4%e5%ae%b3%e3%80%8b/ar-AAIPjku#page=2
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