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2019年08月26日01:20

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日本での中国統一戦線工作

 下記は、2019.8.25 付の 【古森義久のあめりかノート】 です。

                       記

 ワシントンでは「統一戦線」という言葉がよく使われるようになった。中国への警戒のキーワードである。国政の場の国際問題論議で険悪化する対中関係に関連して、中国側があの手この手で米国内部に浸透してくる工作の主体がこの統一戦線だと語られるのだ。

 正式には中国共産党中央委員会の「統一戦線工作部」(統戦部とも略される)のことである。

 統戦部は本来、共産党が主敵との闘争に際し反共、非共の勢力とも連帯しての、からめ手作戦を任務としていた。だが近年は習近平政権から新たな対外工作を命じられ、相手国内部での中国の動きへの反対を崩し、賛成を増やすための違法合法の活動をする。

 統戦部の工作は最近はオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、台湾などでも指摘された。では日本ではどうなのか。

 この疑問に答える調査報告書がワシントンの研究機関「ジェームスタウン財団」によって作成された。同財団は冷戦中から共産圏諸国の対外活動を専門に研究してきた機関である。

 報告書の題名は「日本での中国共産党の影響力作戦の予備調査」だったが、内容は統戦部の活動だった。「予備」と記したのは本格的な調査の始まりという意味だろう。作成の中心は在日体験も豊かな同財団中国研究部の米人学者ラッセル・シャオ氏だという。

 同報告書は、日本での統戦部活動はこれまで調査の公表こそないが、その存在自体は米国の国防情報局などでもかなり把握している点を指摘していた。骨子は以下のようだった。

 ・日本での統戦部組織としては同部の直轄組織の日本中国和平統一促進会が主体で、関連組織として全日本華僑華人中国平和統一促進会や全日本華人促進中国平和統一協議会が存在する。

 ・人民解放軍の対外組織の中国国際友好連絡会や中国共産党の外交支援組織の中国人民対外友好協会も統戦部との連携を保ち、対日友好の名の下に日本側の多様な団体、組織と活発に交流している。

 ・統戦部は日本側に基盤をおく既存の日中友好団体をも利用する。それらは日中友好協会、日本国際貿易促進協会、日中文化交流協会、日中経済協会、日中友好議員連盟、日中協会、日中友好会館などである。

 ・以上の諸団体が統戦部と接触や連携はあっても違法な活動をしているわけではないが、統戦部工作がこの種のルートで日本側の政財界のエリート層を親中にさせることなどを試みていることは立証されている。

 同報告書はまた工作の具体例として沖縄での出来事をあげていた。

 中国組織による米軍基地の多い地域での不動産取得、沖縄の日本主権を否定する目的での琉球王朝末裔(まつえい)の中国への招待、沖縄・中国間の姉妹都市提携の奨励など、だった。

 同報告書は結論として「中国の対日統一戦線工作は米国や台湾に対してほど激しくはないが、意図や動向は明確であり、日本側の認識が少ない点が問題だ」と警告していた。米中激突の余波はこんな形でも日本に及んだということだろうか。 (ワシントン駐在客員特派員)

 https://www.sankei.com/premium/news/190825/prm1908250013-n1.html
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