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2017年08月30日23:31

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【北ミサイル】父祖の影消す正恩氏 メディア戦略転換、バッジ外す

 下記は、2017.8.30 付の 産経新聞 の記事です。

                       記

 広大な滑走路を見渡す場所で独り机に座る金正恩(キム・ジョンウン)。視線の先には炎を上げ飛び立つ弾道ミサイル「火星12」がある。30日付朝鮮労働党機関紙、労働新聞が掲載した写真だ。現場は平壌の順安(スナン)国際空港。人口が密集する首都で発射しても絶対失敗しない−との自信の表れだとみられている。

 韓国紙、中央日報は、北西に約100キロの東倉里(トンチャンリ)の発射場から移動式発射台で運んだと伝えた。新型ミサイルの発射翌日に機関紙や国営テレビを使って「成功」を大々的に宣伝する手法はもはや定番となった。

 危険なミサイルの直近を含め、さまざまなアングルから撮影され、2分程度の映像を配信。日韓や欧米のテレビがトップニュースとして報じるのに十分な量だ。金正恩が技術者らと抱擁して喜ぶ構図も多い。

 3月の新型ロケットエンジンの燃焼実験「成功」を伝える際には、感激にむせぶ軍人を背負う写真も配信された。北朝鮮で最高指導者の写真は「1号写真」と呼ばれ、構図には細心の注意が払われる。指導者より「頭の高い」位置に一介の軍人が写り込むことは父、金正日(ジョンイル)の時代には考えられなかったことだ。

 金正恩の胸には、党員が着けるべき金日成(イルソン)・金正日バッジが見当たらない。父や祖父からの脱却を印象付けるものだ。米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成を目前に、軍経験もなく、「未熟な指導者」という自身につきまとう評価を払拭する狙いも透けてみえる。

                        ◇

 「邪悪な日本という島国の種族が慌てふためく大胆な作戦」。北朝鮮国営メディアは30日、弾道ミサイル「火星12」が、日本による韓国併合から107年の29日に合わせて発射されたことを強調した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」は米独立記念日の7月4日に発射された。

 ミサイル発射は本来、技術上のスケジュールに沿って実施するものだ。金正恩は昨年、訪朝した“金正日の元専属料理人”の藤本健二に「無理難題を突き付ける米国に、むかっとして発射している」と語ったと報じられた。日米の感情を逆なでする日に発射することで、大国をも翻弄したいという思惑がうかがえる。

 最近は公開活動の大半をミサイル関連の視察に充ててきた。早朝や深夜、僻地(へきち)を問わず、実験現場に駆けつけ、ミサイルに懸ける執念を見せつけた。深夜から早朝、執務室にこもり膨大な報告書に目を通し、指示を出した父親の金正日との違いを行動で見せた。

 韓国の情報機関、国家情報院によると、米国の攻撃を警戒し、移動には専用のベンツには乗らず、幹部用のトヨタ・レクサスを使う。一方で、韓国との軍事境界線からわずか約1キロの軍施設を今月上旬に訪れたと報じられた。米国に対する「恐れ」と軍最高司令官としての「自信」が微妙に絡み合う。軍経験不足の負い目を打ち消すように、国営メディアに「30代の百戦老将」と称させた。

 今回の発射が「グアム島を牽制(けんせい)する前奏曲だ」とも表明。米領グアム沖への発射計画を留保し、「金正恩がわれわれを尊重し始めている」との米大統領、トランプの“融和メッセージ”をあえて蹴ってのけた。「核抑止力を交渉テーブルには載せない」との宣言通り、核・ミサイル開発の凍結を外交カードに使う意思がないと誇示した形だ。

 1990年代に開発凍結を時に外交カードに使い、時間を稼いだ父と一線を画した。一つは、米国を狙うミサイルの開発にほど遠かった当時と時代状況が違う点が大きい。ICBM開発の“八合目”まで来て不利な交渉に応じるつもりはないようだ。核・ミサイル開発一本に突き進む裏には、オバマ前政権下で「戦略的忍耐」という没交渉が続いたこともあり、父に比べ圧倒的に外交経験が不足している影響も否めない。

 一方で、主要産品の禁輸を定めた国連制裁の影響が顕在化するのは時間の問題ともなっている。金正恩が振興に心血を注いできた海産物事業まで禁輸対象とされた。制裁への国民を動員した非難キャンペーンは怒りの表れともいえそうだ。

 国情院によると、住民に制裁による疲労感が高まり、平壌では、秘密警察が不満分子や無職者の摘発を強化している。統制で首都の安寧を取り繕っているのだ。ICBMを完成させ、トランプ政権に核保有国と認めさせる交渉を迫るのが先か、統治にほころびが出るのが先か、金正恩は危険なチキンレースに突入しようとしている。=敬称略

(ソウル 桜井紀雄)

 http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e3%80%90%e5%8c%97%e3%83%9f%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%80%91%e7%88%b6%e7%a5%96%e3%81%ae%e5%bd%b1%e6%b6%88%e3%81%99%e6%ad%a3%e6%81%a9%e6%b0%8f-%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%88%a6%e7%95%a5%e8%bb%a2%e6%8f%9b%e3%80%81%e3%83%90%e3%83%83%e3%82%b8%e5%a4%96%e3%81%99/ar-AAqZ7Qm#page=2
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