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2017年02月14日15:19

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「革命は銃口から生まれる」 人民解放軍の“大改革”、習氏の“反腐敗闘争”の密接な関係

 下記は、2017.2.14 付の産経ニュース【米中戦争】です。

                      記

 「革命は銃口から生まれる」という毛沢東元主席の言葉は、中国において共産党と人民解放軍が、いかに密接不可分な関係であるかを示している。昔も今も、人民解放軍は共産党の軍隊であり、一党独裁の共産党が腐敗するように軍の腐敗も有名で、習近平国家主席の「反腐敗闘争」の重要なターゲットになっている。(夕刊フジ)

 まず、血祭りにあがったのが、徐才厚、郭伯雄の両元中央軍事委員会副主席であり、徐氏は末期がんで入院中に逮捕され死亡し、郭氏は無期懲役の刑に服している。その後も多くの将軍たちが腐敗を理由に逮捕され、自殺した者もいる。この軍に対する厳しい反腐敗闘争は、習氏の大規模な軍改革と密接な関係がある。

 習氏は2015年12月31日、中国建国(1949年)以来、最大規模となる人民解放軍改革を断行したが、この改革は毛氏や●(=登におおざと)小平元副首相さえ手を付けなかった難事である。この軍改革の主たる目的は、20年までに人民解放軍を「戦って勝つ」軍隊に転換することだ。そのために、3つのことを達成しようとしている。

 まず、人民解放軍の腐敗を根絶する。第2に、陸・海・空・ロケット軍の作戦とサイバー戦や宇宙戦を密接に結合させた統合作戦を遂行する能力の向上。人民解放軍は、米軍の統合作戦を参考にしている。第3に、陸軍偏重の是正だ。

 軍改革の過程で230万人の人員を30万人削減して、17年中に200万人にする予定だ。自衛隊の隊員数(自衛官と文官の合計)27万人以上の者が削減される。退職後の再就職や年金なども十分でなく、削減を免れても階級の降格も珍しくないという。

 昨年10月に退役軍人数千人規模のデモが国防省前で発生したが、その背景には退役軍人の30万削減に対する不満がある。

 一方、陸軍偏重の是正の兆候がある。

 人民解放軍改革で7大軍区(=全国を7地域に区分して統括していた)を、5戦区に改めた。統合作戦能力の向上のためだが、陸軍偏重を正す目的もある。これまで、5人の戦区司令は陸軍の将軍が独占していたが、今回初めて、南部戦区司令に海軍の袁誉柏氏が北海艦隊司令から栄転する。

 南部戦区は、南シナ海を担当する非常に重要な戦区で、南海艦隊が重要な役割を果たすため、妥当な人事である。

 今後も他の戦区で、海軍や空軍の司令が出てもおかしくない。また、海軍建設の立役者で、11年間も海軍司令を勤めた呉勝利氏が退任したが、中国海軍が新しい時代に入ったことを象徴する出来事だ。

 ■渡部悦和(わたなべ・よしかず) ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー、元陸上自衛隊東部方面総監。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『米中戦争そのとき日本は』(講談社現代新書)など。

 http://www.sankei.com/world/news/170214/wor1702140021-n1.html
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