下記は、2016.8.23 付の【産経抄】です。 この黄朝鮮労働党書記は、来日時に、沖縄で亡命を考えていたのですが、日本の左翼勢力が沖縄では強く、それで北京で亡命したのだと、回想していますね。
記
1997年2月、日本訪問を終えた北朝鮮の黄長●(ファン・ジャンヨプ)朝鮮労働党書記は、帰国途中に北京で1泊した。翌朝、大使館を出て、そのまま韓国大使館に駆け込んだ。北朝鮮の理論的指導者として知られる大物の亡命は、世界を驚かせた。
▼李相哲(り・そうてつ)龍谷大学教授の新刊『金正日(キム・ジョンイル)秘録』(産経新聞出版)によれば、金正日総書記は、「原子爆弾を落とされたのと同じくらい」の衝撃を受ける。「息子や娘、孫まで捨てたやつだ。人間と呼べるか。犬にも劣る」。主要党幹部の前で、怒りを爆発させたという。
▼北朝鮮の駐英公使による韓国亡命の報を受けて、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、どんな反応を見せたのだろうか。いや、駐英公使だけではない。軍の幹部、「国際数学オリンピック」に参加していた18歳の男子学生、当局が中国に設けていたレストランの女性従業員…。今年に入って、北朝鮮のエリート層の亡命が相次いでいる。
▼「やつに何ができる。すぐ滅亡する」。6年前、ソウル市内の自宅で亡くなった黄氏は、金総書記の三男である正恩氏について、こんな「予言」を残していた。一般住民に比べて、はるかに恵まれた生活を約束された階層まで体制に背を向け始めた。北朝鮮になんらかの異変が生じつつある。
▼先日、大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」を見てきた。東京湾に突然現れた巨大生物が、首都に襲いかかる。まったく想定外の国難を前に、政治家や官僚が右往左往する姿がきわめてリアルに描かれている。もっとも日本政府は大きな犠牲を払いながらも、なんとか収束にこぎつける。
▼「北朝鮮の崩壊」は、ゴジラ襲来と違って、現実に起こり得る事態である。韓国と連携して、拉致被害者を保護する準備はできているのだろうか。
●=火へんに華
http://www.sankei.com/column/news/160823/clm1608230003-n1.html
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