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2015年09月27日19:00

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沖縄基地問題 崖っぷち、知事の「辺野古反対」 篠原章氏

 下記は、2015.9.27 付の産経ニュース【iRONNA発】です。

                    記

 米軍普天間飛行場の移設計画をめぐり、沖縄県の翁長雄志知事が移設予定地の名護市辺野古の埋め立て承認を取り消すと表明し、県と国は全面対決に突入した。「本土の支援はいらないから、とにかく基地をどかせ!」という翁長氏の論理、はっきり言って間違ってますよ。

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 去る9月14日、普天間基地の辺野古移設反対を訴える翁長沖縄県知事が、仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を取り消す手続きに入ると表明した。

 保守本流の中心にいた前那覇市長の翁長氏が、「県内移設反対」を掲げて知事に当選したのは昨年11月。以後、内外のジャーナリストや政府要人に「沖縄の民意は辺野古移設反対」と繰り返し訴えている。この9月には国連人権理事会に出席し、辺野古移設反対のスピーチを行った。

 知事のこうしたパフォーマンスを額面通り受け取る限り、「強者(日本政府)による弱者(沖縄)の蹂躙(じゅうりん)」と見て、知事を支援する人たちが増えるのも無理からぬことだが、知事自身は、なぜ辺野古移設に反対なのか、説得力ある説明をしたことはない。

 知事は「日米同盟は支持するが、沖縄の基地負担は過剰だから辺野古移設には反対」という。だが、知事はもう一つの移設問題である「那覇軍港の浦添移設」では、何と推進する側に立っているのだ。

 抱える矛盾

 本土では知られていないが、那覇軍港の浦添移設によって埋め立てられる面積は約300ヘクタール。辺野古で予定される埋め立て面積160ヘクタールの2倍近くに上る。辺野古の工費は3500億〜5千億円と予想されるが、浦添の工費はそれをはるかに上回る8千億円超と推計される。

 知事はまた、「ジュゴンが生息する辺野古の海を埋め立てるのは許さない」ともいう。だが、知事が那覇市長時代に率先して進めてきた那覇空港拡張工事で埋め立てられる那覇沖にも、多数の希少生物・絶滅危惧種が生息する。埋め立て面積は辺野古と同じ160ヘクタール。既に埋め立て作業は始まっている。

 「あらゆる手段を用いて移設を止める」と宣言した翁長知事とその支援者の抱える「矛盾」はこれだけにとどまらない。

 7月13日には、県外からの埋め立て用土砂や石材の搬入を規制する条例が県議会で可決された(施行は11月1日)。これは翁長与党が提出した条例案で、辺野古埋め立てを阻むことが事実上の目的だ。

 だが、この条例が厳格に運用されれば、辺野古埋め立てはおろか、那覇空港拡張や那覇軍港の浦添移設にも影響が及ぶ。知事としては、「肉を切らせて骨を断つ」つもりだろうが、辺野古移設さえ阻止できればいいというその姿勢がもたらす「コスト」は小さくない。

 知事と反対運動を支えるため、4月に設立され、全国から4億円以上の募金を集めている「辺野古基金」にも問題はある。

 あからさまな利権配分

 知事選で翁長氏を支援し、基金設立のために奔走した2人の共同代表に対して、あからさまな「利権配分」が行われているからだ。

 5月半ばに知事が「発令」した人事で、共同代表・平良朝敬氏(かりゆしグループ)が、観光事業の元締である沖縄コンベンションビューロー会長に、同じく共同代表・呉屋守将氏が率いる金秀グループの美里義雅氏(前金秀バイオ副会長)が沖縄都市モノレール社長に就任しているが、この情実人事は県内でも問題視されている。

 これだけの矛盾を抱えた翁長知事の「辺野古反対」だから、今後、さらに迷走する可能性は高い。知事に選挙資金を提供したといわれる共産党関係者さえ、矛盾に満ちた知事の姿勢に不信感を抱くことがあるという。

 このまま埋め立て承認が取り消されれば、国は、取り消しは無効だとして直ちに訴訟を起こす。現段階で、県の勝訴を予想する者はいない。裁判期間中も移設作業は着実に進む。要するに知事にとって勝ち目のない闘いなのだ。

 翁長知事は、いったい誰のため、何のために闘っているのか。決意だけあって展望のない闘いはいつまで続くのか。進むも地獄、戻るも地獄。就任から1年もたたない翁長知事だが、早くも崖っぷちに立たされている。

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【プロフィル】篠原章 しのはら・あきら 昭和31年、山梨県生まれ。批評.COM主宰、経済学博士。大東文化大教授などを経て現職。主として沖縄、社会経済一般、音楽などの分野で評論活動を展開。最新刊は『沖縄の不都合な真実』(大久保潤との共著/新潮新書)。

 http://www.sankei.com/premium/news/150927/prm1509270013-n1.html
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