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2019年09月02日20:33

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再びのラッドウィンプス、少しサカナクション

 ラッドウィンプスというバンドが、横浜アリーナ(1万7000人収容)3日公演で、全国ツアーを終えた。
 「天気の子」という映画(左の画像)が大ヒットしているらしい。そのサントラも担当した。新海誠監督とは「君の名は。」以来のコンビ。知らない人もいると思うが、今日本でいちばん勢いがあって、いちばん売れているバンドだろう。
 そのライブを1年ぶりに鑑賞した。前回は予習もなく初めて聴いたけど、今回は2回目だし、2017年のライブCDも聴いている。
 新作アルバムの曲から、野田洋次郎さん(2つめの画像)のピアノ弾き語り、「おしゃかしゃま」「君と羊と青」「DADA」、ライブ定番のノリノリの曲まで、2時間30分以上。観客は一人残らず、感動して満足したんじゃないかとさえ思う。曲作りも歌い声も、すごい才能の人と思う。

 去年の日記で、野田さんに会う機会があったら、「サッカーの応援ソングに、どうして、御霊(みたま)という言葉が必要なのか」質問してみたいと書いた。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967162681&owner_id=5455321
 今回、野田さんは「消費税が上がるけど、いっぱい働いて、税金払って、この国をよくしよう」と言ってライブを締めた。実際、ラッドウィンプスは、相当な金額の税金を払っている。彼にとって、普通の考え、価値観なのだろう。
 Jアラートにおびえ、国旗国歌を愛し、国を頼る彼のその感覚は、今の若い世代の社会や時代に対する雰囲気を体現しているように見える。

 野田さんは右とか左は関係ないと言うが、スガ官房長官とのつながりも指摘され、「保守的・体制寄り」に見えるかもしれない。少なくとも国家との一体感を表明することに何のためらいもない。
 それに対し、サカナクションという人気バンドがいる。小川彩佳さんをメインに迎えたTBS「ニュース23」で、同じ新海監督の絵にあわせ、テーマ曲を歌っている。
 こちらは今年「834.194」という2枚組CDを出した。これがポップで多彩で気に入っている。タイトルの数字は、彼らの出身地である小樽・札幌と東京の距離(キロ表示)ではないかと言われている。
 リーダーは野田さんより5歳年上の山口一郎さん(3つめの画像)。彼の歌詞は、直接的なメッセージは出さないが、権威や不正への反抗が感じられ、私のような者は安心して、心地よく聴くことができる。都会の喧噪の中であれ自然の野原であれ、彼は何物にも頼らず、一人でぽつんと立っている印象だ。
 「右派の横綱」野田洋次郎と「左派の横綱」サカナクションと言ったら、双方に迷惑だろう。

 それでも、野田さんが感じ取ったままを訴えかける歌詞、ラッドウィンプスのキレがある音楽には、純粋すぎる危うさを覚えつつも、心惹かれる。
 「愛にできることはまだあるかい」 そんな題名の歌を歌っている。
 彼は毎晩数万人に向かって、何度もありがとうを言う。そうでもしないと精神を保っていられないほどの重圧と心の痛みを抱えているかのように。
 終演後のバックステージでは、バンドのファン・礼賛者を公言する有名人を多数見かけた。
 彼らへのあいさつを終えた野田さんが、偶然、近くに来た。
 180センチ、意外に長身で、蒼白い顔をしていた。
 別に面識もないから、いきなり「みたま」の質問はできないけど、ライブで燃焼しきった若者を見たら、そんな質問をする気は起きなかった。彼は、1年前の地点には、もう留まっていないのがわかったから。
 野田さんは、これからどこへ向かうのだろう。
 大成功を手に入れた多くのスターのように自堕落の道へ進むのか、今の真っ直ぐな気持ちを保ったまま音楽性を高めていくのか、まだまだ彼の音楽を聴きつづけていきたい。
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