気付くと、
お尻や背中の下に何かがある。
ゴワゴワボコボコしてて寝づらい。
身体をずらして態勢を変えて寝なおす。
しばらくするとまた、
ゴワゴワ
ボコボコ
『何やねん!?』と、
起きあがって見てみると、
隣で寝ている長男の脚が!
皆で平行に寝てたハズなのに長男だけ直角になって、脚を僕の敷き布団の下に潜り込ませている。
『あ〜ぁ!もうっ!邪魔や!』
抱き抱えるにはデカくなりすぎた長男の脚を押しやり手を引っ張りして元の位置に戻す。
夜中にごそごそする僕に気付いた奥さんが、次男の下敷きになりながら囁く様に話し出した。
「源(次男)が生まれた頃、寝るときに多(長男)にかまってあげれなくて淋しそうにしてたから『脚を伸ばして横に居てるお母ちゃんの足にくっつけとき。そしたら淋しく無いやろ』て言うてた。そやから今でも寝てる時に足で誰かに触りたがるんやわ」
ふ〜ん、
そんな事あったんや。
軽く聞き流しながら、夜の暗闇の中で僕は泣きそうになってた。
そやったそやった。
妊娠中は兄弟が出来る事を本当に喜んでた長男。
里の大きなお腹に向かって「早く生まれておいで〜!公園で一緒にサッカーやろう!」なんて呼び掛けたりしてた。
なのに実際に弟が生まれて来た途端、すこしづつ笑顔が減っていった長男。
お母ちゃんもお父ちゃんもずっと一人占めしてたのに、全部横取りされた気持ちやったんかな。
弟の存在を素直に受け入れられる様になるまで、しばらく時間かかったもんな。
元々頑張りやさんやったけど、沢山我慢する事もその頃覚えたな。
そやったそやった。
そっか、このゴワゴワボコボコは長男が沢山頑張っていっぱい我慢した名残なんやな。
そんな長男も春からは中学生。
まだまだ沢山頑張って我慢せなあかん場面に出くわすやろけど、しっかり乗り越えて行って欲しい。
父ちゃんの布団の下ならいつでも脚を潜り込ませてきてええからな。
寝づらい時はどけるけど…
ゴメンやで
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