mixiユーザー(id:535251)

2020年10月13日09:39

76 view

勉強会講話より「84人の成就者たち」第一回(6)




【本文】

 ブラーフマナは、酒売りとしての仕事をよくこなしたので、従業員たちは喜びました。ブラーフマナは、「主人と従業員たちすべての主人」と呼ばれました。

 あるとき、昼間の仕事が終わり、食事が運ばれてこないまま夜になったので、ブラーフマナは庭に眠りに行きました。ブラーフマナに食事が運ばれてきたとき、15人ほどの娘たちがそのブラーフマナ階級の子息に奉仕し、彼の体が光り輝いているのが見えました。
 酒売り女が女将にそのことを告げると、女将は後悔し、大臣に願いました。

「私どもが12年間あなたを働かせた罪は私にあります。ですから12年間、私にあなたを供養させてください。あなたに奉仕いたしましょう。」

 彼は拒否しました。しかし彼は酒売り女たちとジャイナタプラの人々に法を説いた後、修行の仕方を授けました。そして700人の従者たちを従えて、ダーカの領域に行きました。




 はい。まあ、これは分かりますね? つまり十二年間、ディンカパはその師から言われた修行を続けたわけだね。つまり昼間は一生懸命――まあここに書いてあるように、適当にやってるわけじゃないよ。適当に「おれ修行者だから、まあ酒屋の方は適当にやっとくか」っていって夜だけに一生懸命修行するんじゃなくて――つまりこれがまさにカルマヨーガなわけです。師から与えられた修行は酒屋の仕事だと。そうだとしたらもう全力でやるわけです。で、ここに書かれてるように、「主人と従業員たちすべての主人」とほかの従業員たちから言われるほど、全力でその酒屋の仕事をこなしたわけだね。で、夜はしっかり修行すると。で、それを十二年こなしたと。
 で、十二年が経ったころ――つまりこの時点でもうこの人は、完全に成就してたんでしょう。そのころにまあたまたま、料理が運ばれてこなくて、で、ある人が遅れて食事を運びに行ったら、この酒屋の従業員だと思ってた男が、体中が光り輝き、で、なんか女性たち――まあこれはつまり女神たちだろうけども――女神たちにかしずかれていると。で、それを見た女将が、「あ、この人は実際は大聖者だった」と気付いたわけだね。
 まあもちろんこれはインドっていう国が、もともとそういう、なんていうかな、ベースがそういう聖者の国っていうか修行の国だから、もちろんそういうことが分かるわけだけど。聖者っていうのがいて、その聖者っていうのはこういう存在なんだっていうのがもともと概念としてあるからね。だから女将はその自分がこき使っていた従業員が大聖者だっていうことに気付いたと。
 で、「わたしは十二年それに気付かずにこの大聖者をこき使っていた」と、そこで後悔するわけだね。で、「今度はわたしを奉仕させてください」って言うわけだけど、まあそれはこのディンカパは拒否して、しかしまあ多くの人に教えを説いて、で、最後はダーカの領域に行きましたと。
 この物語は、結構この「ダーカの領域に行きました」っていう表現が出てくるんですが、ダーカってね、さっきのダーキニーの男性版なんだけどね。ダーカっていうのは――ダーカもダーキニーもまあ直訳すると「空を行く者」っていう意味があります。でもこれは別に単純に空を飛べる人をそういうんじゃなくて、この空っていわゆる空性のことなんだね。つまり空性の悟りの境地を行くみたいな意味があって。まあつまりこれは、さっきの話じゃないけど、無分別の、分別を超えた空性の悟りに到達した者の、一つの表現ですね。この「ダーカの領域に行った」っていうのは。


9 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031