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2020年09月28日16:52

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勉強会講話より「安らぎを見つけるための三部作」第一回(2)


 「荒れ狂う感情とカルマの砂漠の中で疲弊し切った衆生の心が、今日こそ、安らぎと幸福を見つけられますように」と。これは祈りの言葉ですね。
 「荒れ狂う感情とカルマの砂漠」――これはわれわれが輪廻転生してるこの世界を指しています。「荒れ狂う感情とカルマの砂漠」。ね。荒れ狂う感情、つまり欲望、怒り、執着、嫉妬、嫌悪、さまざまな感情がわれわれの中で荒れ狂ってる。そしてカルマ、つまりその感情に従ってわれわれは過去いろんなことをやってきちゃった。人を傷つけてきたし、あるいはいろんなものへの執着によって心をけがしてきたし、あるいはいろんな悪い思いを持ってきた。いろんなことを人に言ってしまったし、実際に人にいろんなことをやってきたと。これは過去、今生の過去を振り返ってもそうだし、ましてや前生、前々生、たくさんの過去世を振り返ったら、もうさまざまな過ちを犯してきた。で、それによってその報いを受けなきゃいけない。
 しかし今われわれは教えを学び始めたからいいけども、普通はその報いを受けても、それがすべて自分のやってきたことの報いだっていうことに気付かないから、そこで自分の権利を主張し相手に仕返しをする。あるいは仕返しをしないまでも、その自分のストレスを誰かにぶつける。こういうかたちでまた新たなカルマを積むと。そうするともう、これもまたがんじがらめになるわけですね。
 カルマっていうのも、何回も言ってるけども、なんていうかな、スマートな単純なものじゃないんだね。つまり一個二個ならまだオッケーなんだけど、もう無数のカルマが絡まってるから非常に分かりにくくなります。今自分に起きたこと、あらゆることがカルマなんだけど、つまり自分が過去にやったことなんだけど、分かりにくいんだね。もう無数のカルマが絡み合ってるから。単純に、あ、これはこのときのこれですねっていう一対一対応ではないんだね。いろいろ絡み合ってますねと。だから抜け方も非常に難しい。
 単純だったらいいんですよ。「わたしは過去にやった悪業、一個だけです」と。「それは人に『バカ』と言ってしまいました」と。これだったら簡単です。誰かがやって来て「バカ」と言われたと。「あ、耐えよう」と。心動かさない――「よし、終わった」と。はい、解脱と(笑)。これでいいんだけど、そんな単純ではない。つまりいろんなものが絡んでしまってる。
 で、その中で、しかもわれわれは今まで、さあわれわれはこのカルマを浄化しようと、あるいは感情を浄化しようとさえ思わずに、その感情の嵐、カルマの砂漠の中で、もうひたすら奔走してきた。だから疲れきってるんだね。まさにここに書いてあるように。われわれの心はもう疲れてきっていると。で、それがね、真理と巡り合い、そしてその修行を達成することによって、「今日こそ、安らぎと幸福を見つけられますように」っていうのが、このロンチェンパの最初の祈りの言葉ですね。


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