◎新たに起きた経験と認識を高めること
「次に、新たに起きた経験と認識を高めるためには、乱れた感情を通じた高まりと、概念的な思考を通じた高まりがある。」
◎乱れた感情を通じた高まり
「まず、乱れた感情を持たない人はいないが、しかしあなたが固定的な理解にとどまるならば、感情は道の役には立たない。あなたはそれらを認識し、道として利用しなければならない。
そのためには、3つのポイントがある。
そのように行なえないという欠点、
そのように行なうという良い資質、
そしてそれを行なう方法である。
たとえばある美しい人や人でない存在を見て、あなたの心は欲望とともに圧倒される。その欠点は、欲望が増すとき、あなたは否定的なカルマを作り、冷たい病気にかかり、邪悪な(魔的な)女性の力によって攻撃され、将来、子宮の中に宿るだろう、ということである。このようにして、あなたはカルマ的原因に確実に支配されるだろう。
道として感情を利用することの良い資質は、あなたは、人間と人間でないものを思い通りに引きつけることができ、歓喜の空のサマーディをもたらし、冷たい病から解放され、 女性の守護者によって守られ、実際にスカーヴァティ(極楽浄土)に生まれ変わる。
あなたが強い欲望を感じるならば、まさしくこのように瞑想することで、道としてそれを利用できる。
ブタの鼻にあなたの石を投げるな!
まだ燃えている間は、バターランプをきれいにせよ!
敵を捕らえたならば、殺せ!
まず、欲望を最大限の強さまで育てなさい。
それから、カルマ(行為)を作り出す前に、それを道へ持ってきなさい。
欲望の固着を固めるのは、あなた自身の心なので、この態度の正体が形なき覚醒として始まるならば、それは縁起の良い予兆である。
ちょうど鏡の汚れがなくならなければ映る像が見られないように、生来の覚醒というこの土台がなければ、欲望は道にならない。
乱れる感情の強さは、最大限まで大きくなる。その感情は、生来の覚醒の段階の中で経験されるならば、カルマは作り出されない。ちょうど賢者の石の例えのように、他のどんな思考にも邪魔されず、感情は道に持ち込まれる。
それを道に持ち込む実際の方法は、あなたがその欲望の正体を調べ、 自然な状態の中にあるようにすることである。そのとき、その正体は、歓喜と空は非二元であるという非概念的なむきだしの覚醒を鮮やかにあらわし始める。
さらに、あなたがこのように修行しているあいだ、慈愛、慈悲、および菩提心によって、欲望を道に持ち込みなさい。
まず菩提心を発生させなさい。
次に、精神的な構造物から自由になりなさい。
最後に、献身によって封印しなさい。
菩提心を発生させることによって、あなたの感情は悟りへの道となる。
作られたものから解放された状態にとどまることによって、悟りはやってくる。
そして献身を持って封印することによって、徳は完成される。
思考が生じた瞬間から、それが道に持ち込まれるまで、このようにそれぞれの思考状態によって乱されずに修行しなさい。
献身による封印や、菩提心を生じさせているあいだに、他の思考によってそれらを中断されないようにしなさい。もし中断されたなら、それは道にはならない。
それは欲望だけではなく、怒り、怠惰さ、傲慢さ、嫉妬といった他の感情の場合でもポイントは同じである。それらに乱されずに道に連れ込みなさい。それから、その正体を生来の覚醒として開きなさい。どんなカルマ的な活動も作り出さずに、最大限の強さまで発展させなさい。」
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