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2020年01月28日22:39

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映画「ラストレター」

裕里(松たか子)は、娘の颯香(森七菜)と息子の瑛斗を連れて、葬儀に出席。
姉の未咲が亡くなったのだ。
古いたたずまいの日本家屋である、彼女の実家には、姉あての高校の同窓会のお知らせと、その娘・鮎美(広瀬すず)にあてた、未咲の「遺書」が残されていた。

裕里は、姉の死を知らせようと仙台での同窓会に出向くが、同窓生たちに「みさき、どうしてたの!?」と大歓迎されてしまう。彼らは、裕里を未咲と間違えているのだ。
未咲は美人で優等生、しかも生徒会長で、当時の同窓生たちのアイドルだったのだ。

裕里はとうとう、ホントのことを言い出せないまま、会場をあとにする。
彼女を追ってバス停にやってきたのは、未咲の同級生の鏡史郎(福山雅治)。
彼は半ば強引にLINE交換をする。

ところが帰宅した裕里のスマホに、
「25年間、ずっと君に恋しています」という鏡史郎からのLINEが入り、それを裕里の夫(庵野秀明)が見たものだから、ひともんちゃく。
浮気を疑った夫はスマホを浴槽に投げ入れ、スマホは壊れてしまった。

図書館で働いている裕里は、仕方なく、鏡史郎から渡された名刺の住所に手紙を書く。
LINEの内容を夫が誤解してしまったこと、それでスマホで連絡が取れないこと。そして自分の住所はあえて書かなかった。
手紙を書く、という行為は久しぶりでなんだか新鮮に思える裕里。
鏡史郎は売れない小説家で、昔、賞を獲って以来、鳴かず飛ばずの生活。
彼は卒業アルバムの住所を見て、未咲と裕里の実家あてに返事を出す。

実家には、祖父母(鈴木慶一、木内みどり)と鮎美が暮らしていたが、いとこである颯香は、母親を亡くした鮎美をおもんばかって、夏休み中、いっしょに母の実家で過ごすことにしていた。
そこへ届いた鏡史郎からの手紙。それを読んだ颯香と鮎美は、いたずら心を起こして鏡史郎あてに返事を書いてみる。
するとまたすぐに鏡史郎からの返事が届くのだった。

一方、裕里は、姑(水越けいこ)が老人(小室等)と仲良く歩いているのを目撃。
あとをつけると、そのご老人の家に入っていく。
姑の「英語の恩師の波戸場先生」ということだったが、裕里は波戸場に「ここの住所を使わせてもらっていいですか?」と頼む。
鏡史郎からの手紙をこちらに送ってもらおうと考えたのだ。

ところが、裕里が波戸場の家をたずねているときに、なんと東京から鏡史郎が直接やってきたものだから、裕里は大パニックに。

鏡史郎は「あなたがほんとうは妹さんなのはわかっていた」と言う。
そして改めて未咲のことをたずねるのだが、「姉は・・亡くなりました」と裕里から告げられ、言葉が出ない。

ふたりに高校時代の追憶がよみがえる。
高校3年の初夏に、仙台の高校に転校してきた鏡史郎(神木隆之介)。
生物クラブに入部し、1年生の裕里(森七菜・颯香と2役)から、姉の未咲(広瀬すず・鮎美と2役)を紹介されるが、彼は未咲にひとめぼれしてしまう。
クラブ活動中に、お姉さんに渡して、と、せっせと未咲あてに書いたラブレターを、裕里に手渡しつづける。

しかし、たまたま生徒会で一緒になった未咲に、「手紙・・・読んでくれた?」と訊くと、「手紙って?なんのこと」といぶかしげに聞き返されてしまった。

鏡史郎は裕里を呼び出し、「手紙、渡してないだろう!」と詰め寄るが、泣き顔の裕里はこれはわたしからの手紙、と鏡史郎に恐る恐る手渡す。そこには、

「センパイが好きです。付き合ってください」

だが、それは彼にはできないことだったー。

卒業式を控え、未咲は卒業生総代で、送辞を読むことに。
彼女は鏡史郎に「文面を考えて」と頼みに来る。
そして鏡史郎が書いた文章を読みながら「小説家になればいいのに」と言うのだった。

現在の鏡史郎(福山雅治)は、仙台で、未咲の足跡をたどる。
大学時代、彼女はなぜかクズ男の阿藤(豊川悦司)と付き合って駆け落ちしてしまい、それが転落の始まりだった。
彼らが住んでいたさびれたアパートの部屋に行ってみると、出てきたのは現在の阿藤の同居人(中山美穂)。彼女は、阿藤ならあの店にいるから、と鏡史郎に教える。
そして奥から取り出してきた本を「これ、あなたが書いたんでしょ」と見せた。
それは鏡史郎が未咲を主人公に書いた小説で、新人賞を受賞した本だった。

岩井俊二監督作品。
やはり中山美穂、トヨエツが出演していた「Love Letter」同様の、死んでしまった恋人を追憶する、甘く切ない、遠い恋のお話。
わたし、「Love Letter」を見たとき、
「ケーキにさらに砂糖をぶっかけたような話だなあ」と思ったものだが、今回の「ラストレター」も似たテイストとフレーバーである。

女性からすると正直、「25年間、ずっと君に恋しています」なんて言われて喜ぶかぁ!? いや、引いてしまうけどなあ(;゚Д゚)(福山雅治にそう言われたら嬉しいに決まってるじゃん、なんて外野の声は置いといて・・)。

鏡史郎のところには、裕里からと、鮎美たちの「なりきり手紙」の両方が届くわけで、不自然さにもっと早く気づきそうなものだけど。

などと色々と突っ込みたい部分があります。
なぜ未咲がダメ男なんかと付き合ったのか、高嶺の花すぎて、男子学生が近づけなかったので、逆に男に免疫がなかったのかなあ?

宮城は岩井監督の出身地だそうで、ふるさとをロケ地にしたことが、青春の地を追想する、という感傷によく似あっていると思う。
冒頭の、滝のある川べりの、透明感のある風景が美しい。

「Love Letter」は、卒アルに載ってる、亡くなった恋人の住所に手紙を出したら、なぜか返事が来た!というエピソードからはじまるが、「ラストレター」も、スマホ全盛時代に、あえて肉筆でお手紙を書いて郵便で出してやり取りする、という迂遠なやりかたで、物語が展開する手法を踏襲。
昔の卒アルはともかく、いまじゃ個人情報のからみで、卒アルに住所なんか載せないしね。ちなみにわたしは卒アルって捨ててしまいましたけどねえ(;´∀`)。

ラストシーンは、伏線が回収されて、なかなかうまい設定だったと思います。
青春時代って、年取ると5割り増しぐらいでキラキラして見えるのかもしれませんね。
でもわたしは一番切なかったのはやっぱり、高校時代の裕里が、鏡史郎にフラれるシーン。
だからわたしが劇中の松たか子だったら、相手が福山雅治でも自分を振った男だから、お前なんか知らねーよ、って追い返しちゃいますね。
(1月24日、TOHOシネマズ梅田)
8 10

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