萩尾望都さんの漫画家生活50周年を記念しての原画展に行ってきました。
「ポーの一族」の原画展示が中心ですが、関西での開催ということで、宝塚で「ポーの一族」が舞台化されたときの衣装やパネルの展示も。
萩尾望都さんについては、わたしが改めて言うまでもないでしょう。
日本の女性漫画家のまさにレジェンド、今年は文化功労者にも選ばれています。
「ポーの一族」は、何百年にもわたる「吸血鬼」の物語を描いていますが、壮大な歴史ロマンであると同時に「14歳で肉体的成長が止まったのに、永遠の命を生きねばならない」という精神の苦悩を描写していて、もうマンガというより、重厚な文学作品の趣があります。
萩尾さんがこれを描き始めたのはまだ20歳そこそこ。
エドガー、アランという少年二人に絡めて、18世紀から20世紀のヨーロッパまでの激動の歴史(戦争、東西対立)まで浮き彫りにしていますし、彼らをめぐる人間模様も読みどころです。
天才、というのは彼女のためにある言葉だ! と改めて実感できます。
ストーリーもですが、萩尾さんは絵も格段にうまい。
カラーイラストも一幅の絵画のように見事です。
原画を見ると、ホワイトをこんなふうにして使ってるんだ、とか、印刷では味わえない、手作りの生々しさと言うか、制作の大変さが見て取れます。
それに、わたしは「ポーの一族」は単行本で読んでいたので、「もともとはカラーページはこんな色だったんだ!」とか新しい発見がありました(単行本ではカラーだったところもモノクロ印刷だったりするので)。
高校時代の友人もマンガやイラストが得意で萩尾望都ファン。
グッズショップで買ったクリアファイルをプレゼントに送ったら、すごく喜ばれ、
「わたしも本気で漫画家になりたい、と思っていた。それは萩尾さんにあこがれたから」ということでした。
そんな少女たちが、全国津々浦々にたくさんいたのでしょう。
萩尾望都さんのマンガで、まだ読んでいない作品も沢山あるので、老後の楽しみに(?)ぼちぼち読みたいです(;´∀`)
(12月9日 阪急百貨店うめだ店)
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