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2021年10月04日17:55

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フルトヴェングラーの2021リマスター全集

フルトヴェングラーの復刻は、クラシック録音マニアのロマンだと思う。
私自身は、フルトヴェングラーの芸風はところどころわかる程度なのだが(それこそ音質に妨げられる)、男たちのロマンに影響を受け、バイロイトの第九は、幻のゲネプロ?音源含め、20種類以上は購入し、半分ぐらいは処分したが、残したデータでけっこう比較できる。

先日も4種類ぐらいをデータ再生で流し較べたが、グランドスラムのオープンリール起こしがいちばん印象的だった。
平林直哉氏は、さらによい最終版というていで再リリースしているので、欲しくなる。
あと、その時きかなかったが、LP起こしでは意外とオタケンの印象がよくて、いちど通して聴いてみたいと感じている。

とはいえ、もう一つ感じたのは、リッピングしたり、けっこう好条件で揃えて好条件で聴いているのと、よくないものは手元に残していないこともあり、けっこう僅差だなということ。
個性を楽しんだり、好みや環境で逆転する程度かもしれない。
ちなみに、セルレアさんのとこには、亡くなられた杉本一家さんという、超高額でやりとりされているエソテリックSACDリマスターしてた人の、DSDリマスターという、珍しいものをお土産にしたことがある。

さてさて、マニアがどれぐらい祭りで盛り上がっているのか、もはやそんな人はいないのかもしれないが、フルトヴェングラーのリマスター全集が最新で出るらしい。
なぜ知ったかというと、ハイレゾを物色しているときに、ん、見慣れないフルヴェンのジャケット?と思い、開いて調べるとそうだった。

おもしろいのは、EMIのアビーロードを飛び出して、フランスのスタジオで編集されているようだということ。

アビーロードスタジオというと、ビートルズのアルバムジャケット写真、B&Wの最新スピーカーモニターがあるということで、絶大なる世界最高峰という感じがするのであるが、どうだろうか。

クラシックファンは、EMIの録音をあまり好ましく感じていないと思うが、だいたいアビーロードスタジオを通っているのではないか。
1990年代にアビーロードスタジオマスタリングみたいなCDのシリーズがあった気がするが、原音が矮小化された感じで、フルトヴェングラーの音源も、そういうのがダメだったので、あれだけ復刻が各種盛り上がったのだと思う。

平林直哉氏は、グランドスラムの復刻に勝算がある理由として、孫テープなどであっても、CEDERなどの編集ツールを通っていないことの利点を挙げている。

2010年の、SACD化のための大々的なリマスター時にも、CEDERが使われていたというのだ。

逆に言えば、今回の、アビーロードから解き放たれたリマスタリングが、仮に、シンプルであったり、加工のクセを残さない超高精度ツールであったりしたら、マスターテープに近い優位性が出るのではないか?

バイロイト第九を20種類以上聴いた男として、これは捨て置けないニュースだ。
入院前だが、世界でも最新のレビューを書いておく。

トリスタンとイゾルデが3000円以内だったので、まずはこれを購入した。
手元の、2001年という記載のあるCDと、リッピングしたデータで比較。
リッピングだが、パイオニアのパーフェクトリッピングモードで、途中で異常終了した。盤面は指紋一つないが、プレスが悪いのだろう。1枚100円みたいな全集廉価ボックスがあるが、このようなトラブルはとても多い。

さて、前奏曲のみの比較だが、思ったほどの差はないかな。
20年テープが若いというのは、2001年のメリット。少しEMIというかスタジオの味がついているような感じはある。新しい時代のB&Wのツルツル感というか・・・
なにか安っぽいとか、こじんまりしてるみたいな、思い込みかもしれないが雰囲気感はあって、それは、モノラルで聴いていくには僅かであってもなくしたいポイントである。

24ビット192キロのデータは、艶消しの質素なアナログ音という感じがする。
なんてことはないが、上記のグランドスラムでも、私が好印象をもつのはそういった点なのだ。
24ビットのおかげかこじんまりした感じが軽減されているような気もする。

僅かな差なので、一般にすぐにすすめようと思わなかったけど、自分としては、この新全集のデータをちょくちょく集めてもいいかなという気になった。
またベートーヴェンを買って、グランドスラム復刻の印象と比較などしてみたい。
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