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2021年09月28日01:22

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庄司紗矢香のブラームス

昨夜のBS番組を録画していたのだが、庄司紗矢香のコンサート。予告編のブラームス、ゆったり弾くその感じだけで引き込まれて楽しみにしていた。
ブラームスのヴァイオリンソナタも、チョンキョンファのコンサート以来たまに聴くようになった。だんだんわかってくる、静かな感情の波。ブラームスはいつもどこか人間を感じる。

ブラームスだけが目当てだったが、冒頭のバッハから素晴らしくて引き込まれる。
乾いた心に染み入ってくる。
ピアノのオラフソンというのも期待の若手のようで、音色が克明で美しい。

ブラームス2番は、じっくり弾き込むといった感じで、音色の変化や強弱などのニュアンスが多彩。こんなにピチカートがあったっけ?、と思わされる。
集中力があって、ブラームスの第4交響曲のあとの作品番号にふさわしい、諦観と力感とが交互に揺らぐ。年齢を重ねた人間にしかわからないようなもの哀しいトーンを基調として、自然や生命への賛歌のような輝きもある。ちょうど若々しいモーツァルトのポジネガ裏返しのような。
安い演歌のようにでもなく、枯れすぎず輝きすぎず、じっくり歌われて聴きごたえがあった。

ネットを検索すると、このコンサートに行った人は皆絶賛している。浜松とサントリーホールでやったようだ。

庄司紗矢香は腰か脚が悪いようで、椅子に座っての演奏だが、もともと棒立ちで弾く印象があったので、今回のほうが安定感があって凄みを感じる。精神的にも集中できているのではないか。

これだけ会心の出来なのは、今回思うところがあったのか、もともとこんな凄かったか、2015年のライブがハイレゾであったので、衝動ダウンロードした。
これは「雨の歌」というブラームスの1番がメイン。

これも瑞々しく素晴らしい演奏で、いつも聴いていたデュメイよりも多彩で緩急もおもしろく、チョンキョンファのときは曲をまだあまり知らなかったが、負けないと思う。
音質は、BS放送の何十倍のデータ量と思うので、まったく素晴らしい。
セールだったが定価4000円ぐらいする、リマスターとかじゃない真のハイレゾ。ライブのリアルさや空気感があり、コンサートホールでも変な席よりはこちらのほうがダイレクトでよい。

音質が差がありすぎて、演奏の違いがわかりにくいが、演奏だけでいうとBSの2番が挑戦的かもしれない。オラフソンとコンビでライブでの全集があったらとびつくのだが。
調べると、デビューに近い時期に、パリで2番をライブ録音している、十八番なのかもしれない。シャレだが十八歳での演奏。
若き日のブラームスはどうか、このCDも欲しくなった。一日でファンになった。
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