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2020年11月03日00:50

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大人のバランス?

尾崎豊の息子の尾崎裕哉が、レーベルを移籍してアルバムを出したそうで、プロモーションでテレビでみかける。
あいみょんの「君はロックを聴かない」をカバーしていたのだけど、なんだか振り切れない演奏だった。これはオリジナルのはじけぶりが素晴らしい。

尾崎豊というと、歌はうまいのだろうか? 
尾崎裕哉の声の後ろに、その声を探しているけれど、同じ声質の背後に、いつも少しだけ長く切なく過剰に、ため息のように彼の声が聞こえる。
とても緊張して、存在として哀しく響く。ずっと未成熟に閉じ込められた声。
その過剰さで、うまいか下手かはよくわからなくなる、ただ哀しいのだ。

その哀しさは、日本人が近代人であろうと急成長して、でも果たせずにいる背伸びのようにも思えるし、バブル経済の浮かれ騒ぎに突入することの必然の影のようでもある。都市化に取り残される村落の、朴訥とした男の孤独にも思える。個人の精神として、校則違反に不登校や過剰なタバコや酒、覚醒剤にいたる病的なはみだしの哀しみかもしれない。
欧米の水準からは未成熟なのかもしれないが、これがこの時代の極東の、ツッパッた少年の自我の歌だったのだ。

「音は人なり」、いまオーディオシステムが動いているのだけど、15年近く不動だったのはT90A-EXという、FOSTEXのホーン型スーパーツィーター。
これも長岡鉄男系のアイテムで、とにかく高能率でハイテンションでナマナマしくキラキラ輝く。
その前は、ビクターが多かったが、すべてメーカーが調整したソフトドームだった。
いま、T90A-EXをどけて違うツィーターをつけてみようかというのでいろいろ物色していた。
あらためて客観的に聴いてみると、疲れる音だ。
しかも、0.33というムンドルフのシルバーゴールド、高価でギラギラに大きな音がするコンデンサーを、高価でもったいないからと使っていたものだ。
こんな叫ぶホーンツィーターは、若いパワーがないと受け止めきれない。
よい音か悪い音かもわからなくなる。ただ過剰なのだ。

FE103Aに、0.22のコイルを入れて、主に10キロヘルツ以上の強烈な高音を減らし、0.33のコンデンサーでT90A-EXを繋いでみたが、測定値上はよい感じだが、ヴァイオリンなど、金属っぽく緊張した雰囲気がある。

これを、0.15と0.22のコンデンサーにして測定したのが、画像である。
サブウーファーは、大音量時には部屋を刺激せぬようレベルを控えている。
中音中心で、10キロヘルツや12.5キロヘルツのユニットのピークも抑えられている。

昔はこんなバランスではなかった。両翼の低域と高域が盛り上がっていた。
過剰で愚かだったのだとも思うが、そのときはそういう精神だったんだとも思う。
吠えたり叫んだり、ハロウィンではないけど、刺激が強いことに向かっていたような気もする。

測定値上はリラックスムードのはずだが、まだ高音寄りの緊張感はある。
0.15のコンデンサーは、単体での音色が好きでなくて、0.22にしたら、いきいきとツィーターの艶がでてきた。0.33はきつすぎ、0.10では20キロヘルツが出てなくてもったいないが、0.22は、適正あたりなのだろう。
コイルを、さらに大きく0.27にしてフルレンジ側の高音を抑えると、ツィーター派手目バージョンとしてまとまるかもしれない。中低音もスッキリと輪郭がみえる、かつてない静けさも漂う音像。
なんだか、長い年を経て、このツィーターでは完成したシステムじゃないか?

だがそもそも、ソフトドーム回帰でさらなる大人の音にしてもいいのかも?
ヨーロッパの高級ブランド、ScanSpeakの、乗せられそうなサイズのものを物色していた。
ツィーターの能率を心配したが、むしろ長岡的な100デシベル越えのホーンツィーターとの組み合わせのほうが異常みたいだ。
いまの使い方だと、5キロヘルツあたりでもけっこう鳴っているので、スーパーツィーターというよりは、クロス80Hzと6キロヘルツの3ウェイを作ろうとしているような感じ。

これがうまくいかなければ、いよいよ京都人さん推奨のKIT HIT、本物のスーパーツィーター路線に行くか・・・ 小型のは、ネッシーの指定席には乗りそうなサイズだし。
これは大人を越えて達人の域のような気がするのだが。
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