mixiユーザー(id:5343821)

2020年09月21日12:47

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マイ オーディオ システム(1)

オーディオの世界では、「音は人なり」というのだが、いいえて妙だと思う。
オーディオメーカーも、サラリーマンみたいな音のところもあれば、トガった音のところもある。パーツの選び方やダンプの仕方一つで、無難になったりスリリングになったりする。言い方を変えれば、多くの人向けになったりマニア好みになったりする。

生まれ育ち、つまり貧乏か裕福かとか、鳴らせるスペースや部屋がどうかという問題もある。
それも含めて人格を形成するのだから、音に反映される。

長岡鉄男という伝説のオーディオ評論家がいて、私は青春期を呪縛されてしまった。
この人は、戦前生まれで、たいへんに貧乏。ゴミ捨て場からパーツを拾ってくるようなところからスタート。戦後、今までの教科書に墨を塗って、今日から民主主義となった、こういう経験をした有名人は、だいたい根本的に権威を信じない人になっている。
喘息持ちで戦中は身体が弱く非国民、戦後の焼け野原から、田舎のコントライターみたいなアウトサイダーに。

こういう経歴だから、とにかく音も文章もトガっているし、スピーカーもオリジナルで作ってしまう。コストにもこだわりまくる。
最近みなが使う「コスパ」は、かつては長岡氏の代名詞「CPが高い」だった。

なんだか、この人に猛烈に憧れた。
だから、理系でも工作好きでもないのに、この人が設計したスピーカーキャビネットを信じて手に入れた。

でもそれは若いということなのだ。
好きな人の背中を追いかける。同じなんじゃないかと思う。でも、この激動の時代の中で、生まれも育ちも、そんなに同じということはない。

だから、私のオーディオは、長岡氏との違いを探す旅となった。
長岡氏は長岡氏で、完結した世界なのだ。ケチで合理的でダイナミック、アンチ海外製・アンチハイエンド。吸音材やマルチウェイのネットワークもグライコの音創りも常識として拒否し、できればワンポイント録音のLPを重量級のプレーヤーで再生。目が覚めるような生々しい音。
それはきっとすごい個性の音だったはず。でも私は同じ人や環境ではないのだ。
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