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2020年09月14日23:59

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ショルティ・シカゴの悲劇的

ディスクユニオンで買ってきた中古だが、たまたま、マーラーの「悲劇的」が重なった。
この曲は、昔はマイナーだったけど、いまは超人気曲になっているように思う。

ある月の「レコード芸術」誌だが、新譜コーナーが、ラトルとベルリンフィルの退任コンサート、クルレンツィスの話題の新譜、ハイティンクとシカゴ響、で、ぜんぶ「悲劇的」なのだ。
これらは、私もすべて一部は聴いている。ラトルのは、BSで映像でみたが、いずれダウンロードすると思う。
アバドとシカゴがやはり思い出の録音で、カラヤンも9番にはずっと劣るが美しい。バーンスタインの新旧やテンシュテットなども持っているので、今後聴いていきたい。
気づけばけっこう飽きていたりもする。

買ってきたのは、小沢ボストン。
これは、菅野沖彦氏の追悼編集本で、現地に行ったりして録音の様子をレポートした、読み応えのある記事があったので。割引はなかったが550円なので購入。

ベルティーニとケルン放送。
これは、私は中学時代に、フェスティバルホールのベルティーニ来日に何度か行ったのだ。そして、珍しく楽屋でサインをもらい、今でも持っている、
当時、数万円のベルリンフィルやウィーンフィルより、ベルティーニのマーラーチクルスが刺激的という記事もあった。
悲劇的は、当時の友人がカセットテープにしてくれたのだが、それがイコライジングやエコーを加えたりできる?、ケンウッドの突っ走ったシステムコンポで、美音だが確か音が編集されていた。
真実の音を聴きたいという、ノスタルジー。ベルティーニ死後に出た廉価全集は、悪名高きOkazakiリマスターという噂もあり、初出が欲しい。

で、ショルティシカゴの初出CD。
これは、両者の出会いの記録で、1970年、有名なマーラー5番と同時期のもの。
マーラー5番は、中学時代に廉価版で買ったものは、音は痩せて硬くてカサカサに感じたが、終楽章のラスト、有無を言わせぬ迫力に痺れた。
その後、SHM-SACDで、マスターテープに近いリマスターで聴くと、録音もデッカのシャープさがあって、不思議な魅力のある記録。金管軍団が有名で、シャープに吹きまくる。
5番が面白いから、6番と7番も長年気になっていたのだが、6番の初出は初めて見たので、値引き後800円で比較的高価だが買ってしまった。
タワレコリマスターで、この5・6・7は、高価だが信頼できそうなSACDが出ている。また、7番は録音がウィルキンソンという有名人らしく、ステサンでも圧倒的高評価でマスターデータを売っていると思う。
それを思えば、デジタル最初期のCDを買うのは愚かにも思えたが、マスターテープの劣化が進んでいないとか、再生機器とテープの時代的な相性がいいはずというメリットもあるのだ。

で、リッピングして、現在のマイシステムで聴く。
嵐のような超速の行進、鋼のような音の芯、全開の金管に心を奪われる。
新鮮さがウリのクルレンツィスでも、聴いていると途中で止めてしまうぐらい飽きているのだが、これは誰とも違う。
録音も、妙にパートが鮮明だったり、力の入ったもの。

しかしこの演奏は、どう評価したらいいのか。表情豊かでふくよかな名演は他にあるので、暴力的で無機質なとか、宇野氏的な評も当たってはいるだろうが、とても魅力的なのだ。
ネット上で検索すると、絶賛している人は多く、隠れた名盤とも思える。
何を表現しようとしているのかわからないが、とにかく名人たちが、新しい統率者の元、心を合わせて弾きまくってる様が感動的で、だから当時のアメリカで大評判となり、カーネギーホールなどを制圧していったのであろう。

1楽章だけ聴いたが、美しく引き締まった構造体に心を奪われた。
諸井誠の懐かしの「交響曲名曲名盤100」をみると、近代的ということではショルティが圧倒的、特に4楽章が圧巻とあるので、4楽章が楽しみだ。3楽章は期待薄か(笑)

秋の気配に、中高生時代に果たせなかった高音質で、憧れの演奏に出会う。
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