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2020年09月13日14:41

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世は無常  クラシックCD編

ここ何年か、仕事の都合がうまくつくと、中崎町のディスクユニオンに寄っている。
konpozさんの日記で知ったのだが、確かにここは、マニアには垂涎の場所である。

中学生ぐらいから、当時ではじめの虹色のCDに憧れた。
いくつか憶えているものは、たとえば、レコードショップにあった「名曲名盤500」的な冊子をもとに、カルロス・クライバーのベートーヴェン交響曲7番を注文してもらった。当時は到着に数週間はかかった。のんびりした商売。
中学何年かの誕生日プレゼントにあたる権利として、どきどきして取りに行ったと思う。それが3500円。

また、定期試験は一夜漬けタイプだったので、頑張った自分へのご褒美として、最終日にロッテリアでサンパチセット(テリヤキバーガー)で食べた後、HARAレコードという店に、やはり予約してたディスクを取りに行き、帰って聴いていると、寝不足で途中で寝てしまう。
それはとても幸せな思い出。
そのとき買ったのは、ショルティの新世界、3286円(税の変更で中途半端な値段に)、カラヤンのベートーヴェン3・8番とか。

そして、その時代はクラシック界最後の黄金時代、毎月、立ち読みする「レコード芸術」誌には、バーンスタイン、カラヤン、ジュリーニ、アバド、レヴァイン、デュトワ、ごくたまにクライバーの新譜が広告として登場し、欲しくてたまらないのだけど、3000円や2枚組6000円などと言う規模は中高生には無理、という時期を過ごした。

その後、再発廉価の1000円CDとか、リマスター(というよりリミックス)CDの時代になったのだけど、音がおかしくなったのでは?、という不信感を持つようになり、いまではまともな再発盤も多いだろうとは思うのだけど、初発盤にこだわってしまう。

その、憧れの初発盤が、セールの掘り出し物を駆使したりすると、1枚平均400円ぐらいで買えてしまう時代が来たのだ。
初期で盤質が悪くても、その手のものはどちみちリアルタイム補整はかけずにリッピングする。

行くたびに10枚ぐらい買っている。
すると問題になったのがスペースだ。気にならない人もいるだろうが、私はもう増やしたくない。データで買えば増えない。
ならば、リッピングして処分すれば、となる。だからこそこんなに安価で買えるともいえる。

で、どう処分するかいろいろ考えてみたのだが、オークションは老後ならいいがまは割の悪い仕事に感じてしまって無理。
レコード店に叩き売るのも、文化貢献として悪くないが、査定されにくいものがあったり、はした金のために意外と時間を食いそうだ。
知り合いにプレゼント、と思ったが、ストリーミングの時代、CD機器を持っているかの確認から入り、場所を取るゴミをおしつけて気を遣わせるのではという。要は、クラシックのCDに価値を感じる人はほとんどいないということ。
初発版だから価値があるとか、そういう話も難しい。

たまたま、職場にクラシックに関心のある教養的な婦人がおられた。で、モーツァルトのピアノコンチェルト20番とか、よく合ってるので差し上げたりしていたが、その人も、探したらいつのまにかCD再生環境がなかったという(笑)
へたすると、パソコン画面のスピーカーで聴いておられるかもしれない。
オーディオに関心ない人にすすめるのは懲りてるので、その人が必要と言い出すまではアドヴァイスはしないことにしている。そういう環境ではCDもかわいそうではある。

あああの文字通り輝いていたCDが、30年でこの世のゴミ同然となるとは。
この世は無常とは、人の死以外では、もっとも痛感する出来事に感じる。
7 10

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