mixiユーザー(id:5343821)

2019年11月11日00:50

422 view

ウィーンフィルを求めて

以前にも書いたが、私は1992年という年に呪縛されている。
幾つかあるのだが、ひとつは、カルロス・クライバーのニューイヤーコンサートで、正月から生放送で雷鳴に打たれた。
3月にフェスティバルホールでウィーンフィルと2日コンサート、ブラ4や未完成、モーツァルトにシュトラウスファミリーの予定だった。
が、こいつがキャンセル。返金された分で、最初のコンポを買った。オンキョーのD202と、DENONのPMA390に32000円のCDP。

1994年にはクライバーはウィーン国立歌劇場と「ばらの騎士」で来日し、借りを返してくれてはいるのだが、私自身は、まだ学生で東京など遠い、オペラなど聴きとおしたこともない。
まあ人生は長いのだから、クライバーもまだまだ活躍し、いつか会えるだろうと思っていたのだが、そこから彼はほとんど表舞台に登場することはなかった。

11月10日に、フェスティバルホールで、ティーレマンとウィーンフィル、曲目はシュトラウスファミリーとか「ばらの騎士」組曲だという。
まあこれは、私に人生の整理をせよということかなと思って、37000円だがチケット購入。
座席は、長年の経験で舞台に近いほうが好みと分かっているので、4列目ゲット。
「ばらの騎士」は未聴だったが、カラヤンとフィルハーモニアの名盤をハイレゾ購入して聴きなれておいた。クライバーとウィーン国立歌劇場のLDも、ヘッドフォンシステムに組み込んで聴く。こいつは早くデジタルファイル化したいのだが・・・

ところで、10月末に、「ウィーンフィル公開リハーサル招待」みたいなニュースレターが届いた。
30分ほどだが、最高の座席で、200名がリハーサルを聴けるという。
これはすごいテンションが上がった。電話か往復はがきで応募し、はがきで招待状が届くという。応募者多数の場合は抽選と。
初日に電話して、「万一外れた場合は連絡しません」とのことだったので、「確率はどんなものですか?」ときくと、「初日なので何とも言えないが、すごく難しいという感じでは思っていない」というような返事だった。
雰囲気から、これは9割以上はいけるものと、はがきを楽しみにしていた。

はがきの到着可能性は、11月5日から9日まで。
ただ、たぶん6日に届くと思われる。
これが、6日に届かなかってから、7、8、9と、届かないのがとてもつらかった。

私は就職氷河期で、変な転職もしたので、届かない返事は慣れているが、逆に言えばそれを思い出した。
仕事やなんかは、自分のしてきたことの報いの面もあるのだけど、本当に好きな趣味で、働いたお金で大金でも出して好きにしているのに、こんな気持ちになるとは。

応募が殺到して倍率2倍以上だったのなら、「万一外れたら」的な期待を持たさないでほしかったし、220名中外れた20名とかだったのなら、なぜ因縁のこの私を外すかなと思う。
本当に行きたい人からお金を取ってどこかに寄付するとか、高価なチケットの人を優先するとか、500人であってもホールは2700人入るのだからオーケーにするとか、柔軟な方法はなかったのだろうか。

ほんとうに個人的な人生にまつわることではあるのだが、すっかりテンションが下がってしまった状態で当日を迎えた。

私のオーディオ人生は、カルロス・クライバーを生で聴けなかったということに対しての、カルロス・クライバーを納得いく形で再現するんだという執念が根底にある。
27年間の宿題の、答え合わせをする日でもあると思う。
7 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年11月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930