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2019年05月30日03:14

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プロ用パワーアンプが教えてくれること(1)

オーディオ機器を買う中で、良くなった悪くなったと飽きずに語っているわけだが、価値観やカテゴリー自体が変わるような機器と出会うことがある。

CHORDのDAC64はそういう機器で、海外製と日本製の、どうしても越えられない文化度の差を、濃い音色で教えてくれる。
DENON、エソ、マランツと、少し前のフラッグシップは買ったのだけれど、それで再生するSACDと、DAC64を通したCDだと、後者が勝ってしまうので、SACD買う意欲も薄れる。

この度買ったのは、ドイツの、製造は中国という、Thomann S75mk2というもの。
プロ用のパワーアンプで、プロケーブルという店だと27800円。本国通販だと12000円という、高級オーディオの趣味からはカスのような値段である。

マイミクの、オーディオルーム建造したり、精力的に活動されてる方が、夏向きに低発熱のパワーアンプを探しておられ、これを使ってみたらよかったという、ウソのような記事があり、電撃的に買ってしまった。

いま、スピーカーユニットを手元に三つ置いて、そのうちのAUDAXとE100HD
を交互に聴いている感じ。
もっと買うつもりだったが、マイナーなユニットは処分が大変と気づき、いったん打ち止め。
違うユニットを入れていっそスワンを復活させようかなと思っているのだが、輸入の関係でお盆休みになりそう。

刺激として、パワーアンプはどうかと。
失敗しても、安いし小さいし、マトリックスサラウンド専用にもできる。

いま使ってるのは、ネルソンパスのファーストワットJ2。J-FETという素子で真空管アンプに似せた超マニアなアンプだ。
某ページで、Ayreの298万のパワーアンプに勝ってメインアンプの座を奪ったという文章が、あまりに魅力的で、まだ新しいSoulnoteのA1を処分して買ってしまった。
出力は25Wだが、オームが小さくなると出力は小さくなるという謎のもの。
ダンピングファクターは20で、これはスピーカーマトリックスには不利そうだ。

E100HDmk2(アルミコーンのやつ)については、能率86ぐらいなので、J2よりはもっとパワーがあってもよいかなと。

で、とりあえずS75の感想を書くと、代替できてしまった、という感じ。
まだ能率96デシベルのAUDAXのみで使ってるので、パワーや制動力が増えたメリットはさほど感じず、むしろ緻密さが減る。しかし、S75の出力も45wなので、けっして粗いアンプでもない。
個性というのが感じられず、自然でニュートラルといえなくもない。さすが業務用というか。
筐体金属のクセや個性がつくまえに音が出てしまうぐらい、筐体がコンパクトで信号経路が短いというか。

パスの真空管ぽい艶とか海外ハイエンド系のセンス、高域のA級らしい緻密さとかは消える。ただ、J2も意外と濃口の音色ではなく、サラッと自然という持ち味だったので、もともと似た系統なのだ。

で、評価としては、おおむね似ているが、高域はファーストワット、中低域のおおらかさや余裕は75。筐体と端子の差で、少しだけ安っぽい感じがつく。
脚を高級金属にするとよいかも。ゴム脚で、こんな小面積なのに4つ足の一つが浮いてる(笑) さすが中華。まあ、ラックにネジ止めしたら脚はどうでもいいのか。
AETのミニ真鍮インシュが4つ2000円ちょっとで売ってるので、やってみるかな。

最低域の底力で差が出る可能性があるが、そこは、いまはクラッセのデジタルプリでカットしてサブウーファーのアンプに任せている。
もっとも、そここそS75のダンピングファクターが生きるかも。

純粋に音質のクオリティでいうと、パスが10とすると9以上はある。
電源ケーブルを変えた差とかに近くて、大騒ぎするほどのことはない。
いわゆるA級かAB級かという違いが大きそうだ。

緻密さやなんともいえない艶、オーディオ美に聴くポイントがあり、ヴァイオリンソロを愛聴してるとか、パワーアンプと蜜月関係にあるケースだと、許しがたい差を発見するかもしれない。
長岡先生みたいな、ハイスピード、ダイナミックでキレがあるとか、ある種雑な聴き方だと大差ないと思う。まあ、MOSの繊細さがとか意外と面倒くさく粘着される可能性も。。 でもこの値段ならダイナミック大賞グランプリJr.は当確?

うちは、スピーカー部をそこまで追い込めてないというのが実情で、代替してもいいかなと感じた。
物量的には、もう1台買って載せてサラウンド用と独立させると、トランスが2倍になる。それでもはるかに安くてまだ省スペース。

いろいろ書いたが、1台の比較でいえば、勝つことはないが、大差はない。マニアックな部分でどうしてもという部分が出る可能性と、安っぽさを発見して許せなくなる可能性はある。

いやいや、その僅かな部分にこそ趣味の神が宿るんですよ、とも思う。
しかし、ここで注目したいのが、発熱だ。
暑い日に、フル稼働させたあとで、天板をさわると、ヒートシンクの近くで人肌程度。
昨夜電源を消し忘れていたが、触ると冷たい。
ウォームアップ時間を嫌った、電源つけっぱなしが実現できたりするようだ。

ファーストワットは、昔のパスのような発熱ではないようで、触れなくなったら故障だから教えてくれと書いてある。それでもボディ全体がヒートシンクのデザイン。カッコいいが。。
昨年の京都は殺人的に暑かったので、A級アンプはみるのも憂鬱な時期がきそう。

値段はというと、J2新品なら40万近くだろう。
私は、値段はもういいのだが、この音質差のためにこの発熱量の差を取るというのは、どうかなと。
修行僧みたいになってしまう。
おそらく、A級の開発者たちは、違う気候の地域の人たちなのだ。
まだまだ続く。。
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