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2016年01月01日16:55

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FE−108Sol フロントスピーカー交代

最近はスピーカーシステムもヘッドフォンシステムも、大変革期で、必死で機器を動かしていてたいへんである。
ひところのような情熱はもうないのに、状況から動かざるをえないことも多く、労働感がただよう。

スワンに取り付けた、新発売のFE-108Solだが、まずあっさりと取り付けられない。マグネットのカバーがわずかに大きくなったようで、うちのスワンの木の部分に少し引っかかる。
こいつを金ヤスリで処理してるだけで2時間ぐらいかかる。
スピーカーケーブルのターミナルも、結局取り外して半田付けからやりなおしたので、ひと仕事。

スワン真ん中には鉛粒が入ったりしていて、運搬もたいへん。
ネッシーも背が高すぎてたいへん。
こいつらを処分するのも、どこかにストックしておくのもたいへんだなと思ってしまう。
渾身の高級合板、プロの塗装だが、価値がわかる人は少ない。要は値がつかない。

自作系は、ひと昔前の本気の趣味だ。
やりだしたら、後戻りはなかなかに難しい。
ヤフオク時代にはなじまない感じがする。

ただ、自作系のいちばんのメリットは、合うユニットさえ新発売になれば、そっくり新品になることだ。
新しい個性も味わえるし、キャビネット自体は経年でむしろ成長していることが多い。

今回は、それがドンピシャで、ここまでものすごく苦労してきたが、報われたといってよい。
まともなバランスのスワンが、これから20年でも使える新品として生まれ変わったといえる。

かつてはめたユニットは、ほとんどが108ES2で、一時期純マグネシウムのMG100HR-Sというのがあったが、スワン用の設計と公式に書かれていたにもかかわらず、低域の肥大したひどいバランスだった。
8センチユニットをアダプターでつけたこともあったが、さすがに、箱とユニットはバランスをとらなくちゃというのがよくわかった。

今回の108solだが、データをES2と比較してみる。
m0 2.9グラム  2.7グラム  
Q0 0.34    0.23
マグネ重量 451グラム 585グラム 

文系なので、適当な理解だが、m0は振動板重量で、軽いほど軽快で、長岡サウンドらしいスピードが出るが、重いことにもメリットがあるはず。純マグネは5.4グラム。solの2.9というのは、2.7にしようと思えば簡単だったはずだが、なんらか無理をしなかった値だという気がする。多少の潤いにつながるかもしれない。

Q0は、0.5が標準らしいが、引き締まって高域が華麗にとびだす長岡サウンドでは、これをいかに小さくするかみたいなところがあり、20センチユニットでは0.15とかいうのもある。solの0.34は長岡式からはかなり高めで心配だったが、ここには「こっちのほうがまともなんだ」という意志が感じられる。
長岡氏のカリスマから逃れた製作者だろう。変な情熱のない職人的な技術者なのか。おうおうにして、音づくりについてはこういうタイプがよい。でなければ、CHORD主宰のような真の天才かだ。

マグネットも、重量が小さくなっただけでなく、ランタンコバルトのES2に対し、普通のフェライトがSolである。とにかく強力なのがES2。

その他、ねじ穴が8個と4個とか、コーンやエッジ形状が凝りに凝ったES2などの違いがある。

数値や理論的には、ES2が圧勝な感じがする。
音はどうなのか。当時とすべてが違いすぎて、フェアな比較ではないのだが、Solが圧倒的にまともである。
近くで聞けないような、高域のがさがさした乾燥感、3キロヘルツあたりの強烈なピーク、また、大事な中音や中低音が抜けた感じ(800ヘルツあたりにディップあり)などは、扱いが困難だった。
スワンのヘッドがギャーと鳴いて、ホーンがボーと出て、間がない、みたいな。大音量にしないとバランスがとりにくいところもあった。

Solは、そこそこ近くで聞いても、紙臭さや乾燥感が意外と出ないし、耳にキーンともこない。中低音はちゃんと出る。

じゃあ、痛快な長岡サウンドでなくなったのだろう、長岡氏は毒舌で「つまらない優等生になった」と言うのでは、というところだが、そこはよくわからない。
ただ、あのES2の音は、何かが間違っていたような気がする。100HR-Sもだ。
痛快とか優等生とかいう以前に、最低限のバランスというものがあるのではないか。
また、スワンは6畳で使う人とかも多いと思うので、それにはあきらかに不適な気がした。

Solは、MG130HRより、明らかに品位は落ちるが(価格も4割だ)、繊細さや軽快さには気づかされるものがある。
フルート独奏の息継ぎとか、ピアノの一音一音の弾け方など。
音場も、さすがに広々した空間の中に音像を描く感じがあるし、左右のセパレーションにヘッドフォン的な気づきもある。
キャビネットのピアノ塗装の美しさ、うちの環境ではフロントは白系より黒系が絶対よい、といったこと、なにより、ウェルフロート上でユーラユーラと歌うさまはスワンそのものではないか。
この独創的な愉しさに惹かれ、想定外のフロントスピーカー交代劇となった。

こうすると、リアに、京都人さんの「同一ユニットの鉄則」が適用できる。
あわてて108solを電話で追加予約したのだった。
マトリックスサラウンドのリアとしては、やはり13センチユニットやその他のものより、10センチ口径あたりが適しているようだ。Solのスワンを数日後ろで使っているときにわかった。

そんなわけで、FE130HR、FE138ESR、その砲金リング、といった大物たちは、オークションに出すことになる。
これらも素晴らしい素質があるのだが、それなりのキャビネット設計が必要になり、いまの私の環境では無理だ。

ネッシーMIDの入魂キャビネットは、大がかりで好ましくないが、処分は困難なので、アダプター木製リングを作ってもらって108Solをつけ、リアにまわる予定。
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